2014年11月29日 のアーカイブ

大阪R不動産|自分に似合う街を探そう~大正区・後編~

2014年11月29日 土曜日

「考えてもなかった街に暮らすことになって…」
なんて台詞はドラマチックだなあと思わされるものです。
馴染みのない場所は誰だって不安だけれど、先入観で決めてかからず
自分の価値観で住む街を選べば選択肢はぐっと広がるはず。
そんな住まい選びを実践した人たちを連載で訪ねます。

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大正区で木造長屋をDIYした権藤寛之さん(美術塗装業・30代)の場合
*前編はこちら
今は独立して“美術塗装”という、ちょっと特殊な技術を仕事をしている権藤さん。

何の変哲も無い壁に左官材や塗料を重ね古びた雰囲気や独特のムラなど
どんな質感も表現してしまうかっこいい職人です。
塗装以外にもとりあえずの作業は一通り自分で出来てしまうため
施工のテクニックは素人の域を超えています。

こちらは2階の寝室。よい眺めですね。
ですが、実際にはこうなるまでに約1年。始めた工事の終わりが見えず
途方に暮れそうな日々のなか住みながらコツコツ改装したそうです。

ーところで大正って「沖縄※1」「大阪ドーム※2」「IKEA」以上!みたいな(失礼!)
 大阪の人でも用事が無ければなかなか行かない場所ですが、住むとどうですか?
車とバス(※3)と自転車でどこでもいけるから十分便利やで。
ミナミは自転車圏内やしね。
気の利いた(おしゃれな)店は少ないかもなぁ
だけど、スーパーがいっぱいあるから自炊が勝手に身に付きます(笑)
家の前に洗濯物干すのが当たり前で、道は子どもの遊び場。
なんちゅうか、緊迫感ないよね。土着的で、退屈。
そういう感じが僕にはしっくりくるんやと思うわ。

※1 リトル沖縄と言われるほど移住者が多く区民の約4分の1が沖縄出身者
※2 実際は西区なのに大正駅が近い為、そう連想する人が多い
※3 大阪市24区のうち残念ながら最も交通の便が悪いとされている
  が、代わりにバスサービスがすばらしい。ラッシュ時のダイヤ間隔は分刻み!!

権藤さんは今、ここの家と別に作業場も借りているそう。
仕事柄、車が手放せない。趣味のトレッキングに出かけるにも車が必要。
改装を許してくれる家が借りられて、作業場も車も所有できるって
ランニングコストを抑えられる大正区だからかなう暮らし方。

どんなに直しても、不便さはあるし暑くて寒い。
虫は入るし掃除は大変やで。

そう言いつつ満足気なご様子。
未完成だけどごきげんな家と、緊迫感のない街。
権藤さんちはプロが作る家とも、個性の無い賃貸住宅とも
全く違う、脱力系の心地よさがありました。


水辺のシーンが多い大正区。国道43号線を渡る途中に見えた尻無川水門。

*Special thanks 権藤美術塗装 http://gondoartpaint.com

*つられてDIYに挑戦したくなったら!
【『長屋革命』〜王の帰還〜】
 阪急池田駅から徒歩5分、突如あらわるノスタルジックな長屋。
【玉出に残る下町の元大衆食堂】
 のんびりした下町。外観がかなりキュートです。