間取り変更で水廻りはどこまで移動できる?キッチンや洗面台の移動事例を紹介 – リノベーションコラム

リノベーションでプランを考えるときポイントとなる、水廻りの位置。水廻りってどれだけでも動かせるの?大きく動かした時のメリットやデメリットは?など、気になる水廻りの移動についてまとめました。

まずはここを確認!マンションリノベーションの水廻り移動

PSとは?PSは動かせない!

マンションの間取り図をよく見ると、「PS」と書かれているスペースが水回りの近くにあります。「PS」はパイプスペースのことで、マンション内の配管が集約されている空間。上下階と繋がっているので、位置を変えることはできません。「給水管」は圧力をかけて水を送っているので、天井裏や床下、壁の中などある程度自由に配管が可能ですが、「排水」は勾配をとりながらPSやMBの中の排水管の既存の接続位置につなぐ必要があります。

「スラブ上配管」か「スラブ下配管」か?

マンションでは、スラブ(コンクリートの構造体)の上を通ってPS内の共用排水管につながる「スラブ上配管」が一般的ですが、1970年代ごろのマンションでは稀に「スラブ下配管」のことがあります。「スラブ下配管」の場合は排水管は現状の水回り位置のすぐ近くでスラブを貫通したあと、下の階の天井裏を通って共用の配管に接続されています。「スラブ下配管」の場合は水廻りの移動の自由度がより少なくなるので、現状に合わせてプランニングをする必要があります。どちらの配管になっているかは管理人さんへのヒアリングや、竣工図書を閲覧することで確認することができます。

水廻りの間仕切りはコンクリートブロックでできていることも。

1970〜80年頃のマンションだと、水廻りの壁がコンクリートブロック(CB)でできていることがよくあります。CBは構造躯体ではないので解体は可能なマンションが多いですが、解体にはかなりの音と振動が起きます。マンション全体に影響の出る工事なので、あまり広範囲での解体はお勧めしません。できるだけCBの解体が少ない範囲で計画をしましょう。壁をコンコンと叩いてみて、音が響かない時はコンクリートかCBなので解体できないと考えた方が良いです。

管理規約も要チェック

その他、管理規約で水回りの移動自体が禁止されている場合もあるので事前に確認しましょう。

 

水廻りの配置検討のコツ

ここまで確認できたら、どのくらい水廻りを動かせるかどうかある程度の予測ができます。全体のプランとの兼ね合いを見ながら配置を検討していきましょう。

 

キッチンの向きをかえるのは比較的容易

「壁付けのキッチンを対面にしたい。」など、現状に近い場所でキッチンの位置を動かすのはそれほど難しくありません。壁付けのキッチンを対面にする場合などは、腰壁の中に排水管を仕込むことができるためです。景色を見ながら料理がしたい、料理をしているときに子どもの様子が見たい、壁付けにして家事動線を効率化したいなど、実現したい内容によって位置を検討しましょう。ただし、アイランドキッチンにする場合は、排水管を通す壁がなく床下で排水勾配を確保しなければならないため、キッチンの床の高さをあげないといけないことがあります。キッチンの床が上がるのもステージのようで素敵ですが、段差のないフラットな空間を実現したい場合は壁とつながっている位置にキッチンを配置するのがおすすめです。

 

・壁付けキッチンを対面キッチンに変更した事例

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・床の高さを上げてアイランドキッチンを実現した事例

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・スチールの建具の下に配管を隠蔽してキッチンの大幅な移動を可能にした事例

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洗面台の位置移動は比較的容易洗面台は比較的自由に位置を変更できます。従来の間取りでは、お風呂の脱衣所に洗面所、洗濯パンが配置されているのが一般的。コンパクトな空間で使いにくさを感じることも。リノベーションでせっかく好みの洗面台にするのであれば、洗面台を脱衣所から出してしまうのもひとつのアイデアです。玄関入ってすぐに洗面台を配置したり、ひとり暮らしならベッドルームの一角に置いた事例も。キッチンと同様、床下を通す場合は床の高さを上げる必要がある場合があるので注意が必要です。

 

・洗面台を玄関に入ってすぐに配置した事例

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・ベッドスペースの隣に洗面台があるオトナのひとり住まい

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トイレの移動はハードルが高い

一般的にはトイレのすぐ近くに汚水配管用のPSがあることがほとんど。既存の位置から大きく動かすと詰まりの原因になることも。トイレを大きく動かすことはお勧めしません。元々のトイレが狭くて使いにくいなどの場合は建具の位置を変えたり壁の位置を変えたりして空間の確保を工夫するのが良いでしょう。どうしても移動したい場合でも、できるだけ現状の近く、もしくは既存位置で向きを変えるなど軽微な移動にとどめるのがおすすめです。

 

浴室の位置変更はコストアップを覚悟で。

浴室の位置を大きく変えると、思ってもみなかった間取りが実現できることがあります。ただし、他の部分への影響も大きいので、大幅な間取り変更が必要になると思った方が良いでしょう。水廻りの移動にも、大幅な間取り変更にもコストがかかります。コストを重視するのなら浴室は既存の位置で入れ替えがおすすめ。浴室の位置の変更の優先度が高いのであれば、コストアップを覚悟でダイナミックな間取り変更を実現しましょう!

 

・浴室の場所を大きく動かしてユニークな間取りを実現した事例

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・洋室があった場所に広いタイル貼りの浴室を作った事例

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・浴室の場所を動かすことで洗面からベッドルームへのウォークスルークローゼットを実現した事例

▶︎事例の詳細はこちら

 

マンションリノベーションで水廻りを移動すると、自由な間取り変更が可能になり、従前の間取りからは思ってもいなかったような間取りが実現できることも。また、動線を整えたり、景色が感じられる気持ちがいい場所にキッチンや浴室を移動できたり。日々の暮らしに直結するメリットがたくさんあります。将来、マンション全体での修繕があった場合に1住戸だけ水廻りの位置が違うことで管理組合とのやりとりが必要になることがあるなど、押さえておきたいデメリットもあります。また、無理に配管の接続位置を変更するとオーバーフローの原因となったり水漏れの原因となることも。もちろん、大きく動かせばそれだけ工事費が大きくなります。どこまでの範囲の工事が必要か、十分に検討しながら進めましょう。

 

戸建てリノベーションでの水廻りの移動

マンションリノベーションと比較すると、戸建ての水廻りのリノベーションは自由度が高いと言えます。大きく移動すると配管工事の範囲が大きくなり、費用が高額になりやすいことに注意。あらかじめ引き込まれている水道管の口径によっては、水廻りの数を増やしたり、上階に移動するのは水圧の関係で難しいことがあります。

戸建ての場合は構造壁の位置などが建物によって大きく違うので、どこに移動ができるのか、個別に確認が必要です。

 

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文:松下文子 Arts &Crafts 取締役副社長

 

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