リノベーションの計画の際によく希望をいただく、モルタル仕上げの土間。玄関横の収納のほか、最近はリビングや個室を土間仕上げにしたいという要望も増えてきました。土間を採用する上での注意点や、土間を上手に採用した事例をまとめました。
目次
モルタル仕上げの土間のメリットと注意したいポイント
リノベーション空間に採用されて、マンションでも一般的になった「土間」。元々は古い戸建住宅の玄関につづく土足使いの空間で、農作業や料理、来客があった時のおしゃべりの場などが土間と呼ばれてきました。最近はマンションでも土間仕上げを採用することがしばしば。メリット、デメリットをご紹介します。
モルタル仕上げの土間のメリット
・玄関から土足空間を続けることで広い空間が確保できる。マンションでは置き場に困りがちな外のものの収納にも最適!
・自転車のメンテナンスなど趣味のちょっとした作業でも遠慮なく使える素材の強さ。多少の水濡れにも強いので、観葉植物を気兼ねなく置くこともできます。
・コンクリートのスラブの上にモルタルを打って防塵塗装をするので比較的安価です。
モルタル仕上げの土間の注意点
・モルタルは徐々に材料の中の水分が蒸発して伸縮するので、どうしてもひび割れが発生します。また、施工の仕方や施工した時の気候などによって仕上がりの色が異なったり、色むらができます。手仕事の風合いが好きな方にはオススメですが、ヒビやムラがあると気になってしまう方には品質の安定したビニル素材などがオススメです。
・また、モルタルそのままなので冬場は冷たく感じることもあります。くつろぎたい場所にはカーペットや無垢フローリング、アクティブに使いたい場所は土間、などうまく使い分けましょう。
・マンションの場合、コンクリートスラブの上に硬いモルタルで仕上げるので下階への音の響きが気になることも。管理規約や工事の決まりをよく確認し、工事承認をもらうようにしましょう。また、よく歩く場所はラグを引くなど生活の上でも少し工夫をするのがオススメです。
モルタル仕上げの土間を取り入れたリノベーション事例
玄関横に土間収納を設けた事例
・玄関横に細く土間収納を設けた事例。趣味の自転車のものを置くスペースになっています。幅1m程の細い空間ですが、玄関に広がりを持たせ、窓からの光を取り入れて明るい空間を作るのに効果的です。
・玄関をモルタル仕上げにし、そこからつながる一室を大きな土間収納にした事例。大容量で使い勝手の良い空間をセレクト型リノベーションTOLAで実現しました。
ワークスペースを土間にした事例
・家の半分を写真スタジオにした、職住一体の暮らしをしているカメラマンの住まい。モルタル仕上げにアクアカラー(コンクリートステイン)のホワイトを塗装し、明るい空間に仕上げました。
・鉄骨造の戸建てのリノベーション事例。1階の大部分を土間にし、外と中の間のような場所を作って大きく働く空間を設けました。
リビングやダイニングを土間にした事例
・リビングやダイニングを土間にする事例も増えています。フローリングだけだと単調になりがちな空間も床材を切り替えることによってシュッと引き締まっています。
・モルタルの質感が好き、と、玄関からダイニングをモルタル仕上げにした事例。床はコンクリートステインで着色しています。薄塗りしごき材や樹脂モルタルなど、壁にも質感の異なる左官材を使ってイメージ通りに仕上げています。
窓際のインナーテラス
・最後は窓際に小さなモルタル仕上げの空間を設けた事例。インナーテラスのような空間が外部と緩やかにつながります。個性的な形の植物がマッチして可愛い!
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広々として自由な使い方ができるモルタル仕上げの土間。取り入れ方によってグッと、空間のバリエーションが広がります。物件を探したい、リノベーションしたいという方はお気軽にアートアンドクラフトにご相談ください。
また、大阪R不動産とLINEではリノベーション向けの物件を紹介しています。ぜひご覧ください!
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文:松下文子 Arts &Crafts 取締役副社長