「なかなかイメージに合うキッチンがない!」「かっこいいキッチンがいいけど、値段が高すぎる!」リノベーションの設計を進めていくとそんな悩みに突き当たることがあります。そんな時は、造作キッチンを検討してみては。造作キッチンについてまとめました。
造作キッチンとは
住宅で一般的に採用されているのはシステムキッチン。住宅設備メーカーが出しているラインナップの中から種類や色などをセレクトして仕様が決定します。主なメーカーはTOTO、LIXIL、Panasonic、タカラスタンダード、クリナップ、ナスラック、sanwa company、WOODONEなど。メーカーによってデザインや素材、セールスポイントは様々です。
一方で、造作キッチンは、天板やシンクなどをそれぞれ発注し、脚や扉を造作しながら大工が現場で作りあげるもの。全てオーダーメイドで作るので、イメージ通りのデザイン、使い勝手のキッチンが実現できます。また、間取りによってはシステムキッチンではサイズが合わない場合などにも活躍します。
キッチンにはそのほかにシンク、調理台、ガス台が別になっていて組み合わせるだけの比較的安価なブロックキッチンがあります。
造作キッチンのメリット
・寸法が自由に決められる。
収納したいもの、おきたいものなど実現したい使い勝手に合わせて寸法を決められます。また、既製品だと間取りに合う寸法のものがない場合や、二型キッチン、L型キッチン、斜めのキッチンなど、既製品では対応が少ない形も造作で作ることができます。
・デザインを自由に決められる
キッチンをモルタルで作りたい、家具のように見せたいなど、既製品のキッチンでは実現できないイメージがあるときにも造作キッチンがおすすめ。同じステンレスの天板を使っても、脚を木製にするか、スチールで作るか、コンクリートブロックで作るかなどによって雰囲気は大きく変わります。
・海外製の食洗機も入れられる。
MieleやBOSCH、GAGGENAUなど、海外製の大きな食洗機が入る既製品のキッチンは実はすごく数が限られていて、かつグレードが高いために費用も高くなりがち。造作キッチンであれば、入れたい食洗機に合わせて寸法を決めることができるので海外製の食洗機を絶対採用したい、という人は造作キッチンがおすすめです。
造作キッチンのデメリット
・作り込むとコストUPに
システムキッチンのように全面に引き出しをつけたり、扉をたくさんつけようとすると費用がどんどんUPします。できるだけシンプルに作り、収納が欲しい箇所は既製品の収納やキッチンワゴンとの組合せを検討しましょう。
・メンテナンス重視の場合はシステムキッチンがおすすめ
各メーカーが掃除や手入れのしやすさを追求して商品開発をしているシステムキッチン。とにかく手入れがしやすいものを!という人は手入れのしやすさが売りのシステムキッチンの採用がおすすめ。全面ステンレスやホーローなど、造作キッチンでも実現は可能ですが既製品の方が安価に手入れのしやすいものが調達可能です。
実現したいデザインと使い勝手で選ぼう
思い描く実現したいデザインがある人、ゴミ箱や大型の食洗機をキッチンに組み込みたい人、キッチン自体はシンプルに作って、あとは自分でアレンジしたい人などは造作キッチンがおすすめ。引き出しの収納量やメンテナンス性重視の人はシステムキッチンの採用がおすすめです。実現したデザインと使い勝手、そしてコストでどちらが良いか検討しましょう。
造作キッチンを採用したリノベーション事例
・住宅設備メーカーにお勤めで調理師免許も持つHさんのオトナのひとり暮らし。専有面積40平米の主役はキッチン!!細部までこだわって造作し、料理を楽しめる住まいになりました。
・扇形のマンションの独特な間取りに合わせ、完全なL型ではなく少し変形したステンレス天板の造作キッチン。下部はオープンにして食材を入れるBOXやキッチンワゴンを並べた。
・当初から希望にあったモルタルキッチン。 食器が好きなので「しまう」というより飾って見せられる棚にしたかったというAさん、ハーマンのガスコンロ「+do」、キッチン水栓、見せる食器棚を採用した。
・家具のように見せたい、とラワンの合板に縁をつけ、木製のつまみをつけた扉を設置したキッチン。食洗機の面材も扉に合わせてラワン合板を入れた。
・ステンレスの天板とスチールの脚、足場板でかっこよく仕上げた造作キッチン。
・広いリビングにL型キッチンを配置。コンロ側はメンテナンス性の良いステンレス、シンクはダイニングテーブルを兼ねて木の天板で仕上げた事例。
・足場板で天板も側板も組み上げた造作キッチン。ヴィンテージマンションの雰囲気に合わせたリノベーションになった。
・シンプルなタイルと陶器のシンクで仕上げた造作キッチン。並びで洗面台も配置した。
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いろんな可能性のある造作キッチン。キッチンを含めたリノベーションをご検討の方はまずはお気軽にご相談ください。
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文:松下文子 Arts &Crafts 取締役副社長