中古マンションの1室をコンクリートの箱になるまで解体して、ドアの取っ手ひとつまでこだわったリノベーションをする”クラフトアパートメント”シリーズの10作目。完全に仕切られているのではなく、場所と場所とが緩やかにつながっている。決して閉鎖的ではなく自分の場所が楽しめる。生活の中にある個の時間について考え、「ゆるやかな距離を保つ」暮らし方の提案です。
木製パーティションでキッチンとリビングをゆるやかに仕切る。天井は躯体現し、床はホワイトのタイル張とした。
居室〜寝室〜リビング〜エントランスへと回廊できるプランニング。連続した室内窓により視界が抜けて空間がゆるやかにつながる。
大きなガラスの3枚引き戸。自然光がたっぷり入るエントランスは広くて明るい空間に。タイル張の腰壁の奥にはコンパクトなワークスペースを設けた。
ワークスペースの内部。ちょうどいい「おこもり感」ながら、腰壁で仕切られているので圧迫感は感じられない。
グレーとホワイトのタイル張で爽やかな印象のキッチン。洗面台を併設して使い勝手の良い水廻りスペースに。自由な組み合わせは造作ならでは。
家事の間の作業や軽食をするのにぴったりな窓際のカウンター
個室には足触りのいい無垢フローリング。ガラス建具と、玄関まで繋がる床材で広がりを感じられる。
コンクリートの躯体現しに白塗装で風合いのある壁。
リビング・エントランスと繋がる寝室。建具を設けなくても、床材を切り替え段差を設けることで機能の異なる空間と認識できる。
手洗いと一体化したトイレ。
キッチンと洗面台の仕切りには小さな型ガラス。黒い枠が空間をキュッと引き締める。
マンションの側には道頓堀川。
OUTLINE
所在地 /大阪市浪速区
構 造 /SRC造
築年月 /1980年
竣工月 /2009年9月
施工面積/78.67㎡
STAFF
アーキテクト:枇杷健一
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