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アートを内包する集合住宅|APartMENT
アートを内包する集合住宅|APartMENT
造船の街として栄えた大阪市住之江区北加賀屋。産業構造の変化により空家が増え、かつての活力は失われつつありましたが名村造船所跡地の活用をきっかけにアートの力によって人が集まる街へと変化しています。元鉄工所社宅であったこの建物も社宅としての役目を終えた後は空室がちでしたが、建物所有者であり北加賀屋の土地の約半分を所有する地主である千島土地から相談を受け、アート・クリエイティブを切り口に新たな賃貸住宅としての再生を企画し、事業全体のコーディネートをしました。
before/昔懐かしい団地のような外観のRC3階建の建物。従前の間取りは6畳間がふたつの一般的な2DK。壁式構造のため大幅な間取り変更はできない。
敷地内にあった門扉を再利用したベンチや鋼矢板を使ったエントランスの階段。105号室の1部を共用部化し日当たりの良い広場からの導線を確保した。ランドスケープデザイン/soji
各住戸は室外洗濯機置場のみのため、共用部にはコインランドリーを設けた。
エントランス壁面は室内の解体作業で出てきた柱の木口をパッチワーク状に配置したデザイン。
ロゴ・サイン・西面ファサードデザインはUMA/design farmによるもの
2階・3階の8室は住居区画。現代アート、プロダクト、照明、テクノロジー、インテリア、造園といった建築の垣根を越えて集まった8組のアーティスト・クリエイターが1戸あたり120万円の制作費でリノベーション。1階4室は事務所・店舗・SOHO区画。105/106はtoolboxとコラボレーションのもと、入居者によるカスタマイズ可能な賃貸商品に。
305(スキーマ建築計画)参加アーティストの中で唯一の建築家。天井や床などの要素を「引く」だけでデザインを成立させている。
306(吉行良平と仕事)家具やプロダクトのデザインを行っている。大工と現場に長時間滞在しながら使い勝手を丁寧に考え、細部までつくりこまれている。
205(電化美術×FabLab Kitakagaya)電化製品のデザインユニット電化美術と実験的市民工房のFabLab Kitakagayaのコラボレーション。3Dプリンターで作ったアイテムを使用し家そのものを組み替え作り替えていけるような実験的な住まいとなった。
206(GREEN SPACE)庭師の兄弟によるユニット。「住まいに内包される庭」をコンセプトに、土間仕上げの空間に庭石を模したウレタンスツールや植物を配置した。
303(松本尚)現代美術アーティスト。千島土地の百年史から抽出したイメージを壁と襖絵に落とし込んだ。
304(Rhizomatiks Architecture)メディアアートシーンを牽引するRhizomatiksの建築チーム。「記憶の記録」と題し、部屋自体が記憶装置となる仕組みを用意した。
203(松延総司)現代美術家。番数や種類によって質感の異なる紙やすりを用いてインテリアを成立させている。壁に触れると「やすれらる」ことで身体感覚が研ぎ澄まされるというコンセプト。
204(NEW LIGHT POTTERY)照明計画や照明器具のデザインを手がける。この部屋では照明の明暗や効率といった通常の価値観とは違う物差しで、機能ではなく感覚に訴える光を表現している。
toolbox PROJECT(105/106)
合板の床や下地の壁、天井のアングルなど、入居者が手を加えたくなるような”寸止め”状態のハコを用意しました。toolbox商品を用いたカスタマイズは原状回復不要。更に貸主から20万円分を上限にtoolboxの商品購入を補助。塗ったり、張ったり、取り付けたり、真っ白なカンバスに絵を描くように、自分の空間を編集することができます。
キッチンは新調。壁は表面にボードを貼る前の下地軸組の状態であえて止めている。合板仕上げ部分は入居者によるカスタマイズ可能な部分。
105(事務所区画)/既存バルコニー手すりを撤去し外部空間から直接アクセスできるように。
105(事務所区画)/専有部内はシャワーブースのみ設け寝泊まりできるオフィスとした
