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母の家 住まいの中の不易の心地よさ

母の家 住まいの中の不易の心地よさ

数年前にA&Cでリノベーションをされたご夫婦が、同じマンションへお母さんを招き寄せ《母が心地よく暮らせるように》と試行錯誤しながら出来上がった家です。設計の根幹になったのは前川國男の晴海高層アパート。その他、銀閣寺の茶室『同人斎東求堂』や大山崎にある『聴竹居』、コルビュジエの集合住宅『ユニテ・ダビタシオン』など偉大な先人の知恵も拝借し、方針がきまりました。心地よい住まいに和洋のボーダーはございません!!探求していくと、時代や国にかかわらず「良いものは、やはり良い」「美しいものは、いつの時代も美しい」という不変性が浮き出ててきました。親と子が、同じマンション棟内にそれぞれ違う家がある。いつでもお互いサポートできる距離感が安心を産み別々に住むことで自由と自立が尊重される。この住まいのカタチは、これから社会が突入する課題の一つの答えにも思えます。

Outline

  • 物件名/T邸
  • 所在地/茨木市
  • 構 造/SRC造
  • 建築年/1973年
  • 竣工年/2012年5月
  • 施工面積/66㎡

緩やかながら秩序をもってつながる空間。基調は濃い色のナラフローリング。

茶室が一段上がっていることで馴染むリビングとの一体感。

柱や鴨居の構成はLDKから見ると広がりに、寝室や茶室に入ると個室感を生み出す。

キッチンカウンターを造作。木部は樹種や色目を変えることで、違った表情に。

奥の壁はコンクリート躯体に塗装。書斎前の窓辺もまた先人の知恵がヒントに。

玄関脇のミシン室。昔ながらの素材の組合せに存在感を感じます。

洗面室もファブリックやガラスで緩やかにつながっています。

京都会館の打ち込みタイルを彷彿させる煉瓦タイルで仕上げたトイレ。

濃い縦格子と明るい造作家具が出迎える開放的な玄関。

Staff

  • アーキテクト:木村久美子
  • コンサルタント:吉崎かおり

入居者の声

そこに住む人が心地よく暮らせることは住まいの究極の目的であったはず。心地よさを追求すれば美しいものができるはず。日本の高齢者用住宅の発想と価値観をすこしお休みして、先人の知恵から学べば心地よい母の住まいができ上がるはず。こんな想いをアートアンドクラフトさんに試行錯誤しながらぶつけていくと、さらに素晴らしいアイデアが返ってきて、かたちにしてもらうことができました。完成した家で穏やかに暮らす母の姿を見て、間違いではなかったことを実感しています。(Tさん)

担当者より

"70代のお母さんが暮らす家"というと、バリアフリーにして、新建材や新しい設備機器で、いわゆる"キレイで便利な家にする!"という一般的な考えが先ず浮かぶと思います。私もそうでした。そのお仕着せのような常識を、気持ちよく破ってくれたのがこの物件。 昔ながらの良いモノを使い、余分なものはそぎ落としてリノベーションする。 自分の親世代の多くの方が持っておられるだろう、モノに対する価値観。それを変えるのは不可能なのでは…と頻繁に思っていた時でしたので、力強い可能性を感じました。(木村)

アーキテクト:木村久美子

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