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夫がいたらできない暮らし|オトナのひとり住まい
夫がいたらできない暮らし|オトナのひとり住まい
「夫に内緒で家を買うんです。」そんなメールから始まった、Mさんの住まいづくり。
医療関係の仕事につき、忙しい毎日を送るMさん。行きつけのスーパーや美容院などがある地域は離れたくない、誰の目も気にせずにいくつになっても仕事に取り組みたい、そして何より、食卓で落ち着いてごはんを食べたい。およそ40年間、多忙な日々を頑張って走り抜けてきた自分自身のご褒美として、自由にひとりで暮らせる住まいが欲しい…と、数年前から思い描いていたものの、現実的ではないとあきらめていた。そんな中、家族で暮らすマンションの上階の部屋が売りに出たことを偶然知り、ついに購入してリノベーションをすることに。
夫とは程よい距離を保ちつつ、新しい住まいには子どもや友人を招いて食事をしたり、仕事に没頭したり、絶賛ひとり暮らしを満喫中。夜、お酒を飲みながら部屋を眺めては「自由だ〜!」と幸せを噛み締めているという。
これまで住んでいた部屋と違って、2方向に窓があり明るいことも購入の後押しになった。気に入って選んだフローリングが映える。「仕事が暮らしの中心にあってほしいけれど、やはり離れたいときもある。」というMさんの希望を汲んで、ワークスペースは引き戸で開閉できるようにした。
チークフローリングの"サテン張り"をチョイス。
「とにかくめちゃくちゃ集中できます(Mさん)」という、ワークスペース。書類をたくさん広げられるようにデスクの幅は約3m。
リビングとワークスペースの間には大きな室内窓。窓を開けてテレビを見ながら仕事をすることも。建具上部にLアングルを設けて窓枠はなるべくスリムに収めた。
引っ越してから観葉植物にはまったというMさん。部屋のあちこちで元気に葉を茂らせている。
型ガラスをはめ込んだ仕切りの向こうにベッドエリア。将来的に区切りたくなればカーテンレールをつけることもできる。
Mさんの大切にしているものが並ぶ。
ベッドスペースの奥にはWIC。グリーンのカラークロスがちらりと見えて空間のアクセントに。
WICはワークスペースまで長くつながっていて回遊できるようになっている。
正面からは木枠が見えないようすっきりと収めた開口部。
ショウルームで一目惚れした洗面シンク。「リビングに洗面台を設置するプランを提案してもらい、太陽の光の中で身支度ができるのがとても気に入っています(Mさん)」
使える物はなるべく使う方針でのリノベーション。キッチンの腰壁を改造し、ニッチを設けた。
配管スペースの段差があり使いづらかったスペースに、セミオーダーのキャビネットがぴったり!
脱衣室への扉はガラスの引き戸に交換。目隠しが必要な際はカーテンを活用。リビング扉は既存の扉を塗装して再利用。


自己資金で購入した物件は、自宅マンションの上の階の角部屋で、ちらしをみた次の日に不動産屋さんに連絡し、日当たりのよさに感動して見に行ったその日に即決しました。そして憧れのアートアンドクラフトさんにリノベーションしていただく事も前から決めていました。お部屋唯一のドアは既存のものをレモン色に塗りなおしていただき再利用し、ガラス戸と内窓でワークスペースとリビング、ダイニングを仕切るだけでほぼワンルーム仕様になりました。お部屋のいろんな箇所が大好きスペースなのですが、一番のお気に入りは、仕事大好きな私のために設計士さんが提案してくれた長さ3mのワークデスクです。そして洗面台をダイニングスペースに設置したことで、朝日を浴びながらメイクをして仕事にでかけます。なにかと便利です!
今は、広々した空間で、女子会(熟女会)が恒例行事となり、たまに子供たちが食事やお泊りに来てくれます。本当に素敵な空間をありがとうございました。私は、観葉植物の成長に幸せを感じる日々を過ごしています。幸せ!!!(Mさん)
超短距離二拠点生活。初めてお話を伺ったとき、家族とこんな距離感で暮らす方法があるのかと驚くと同時に、新しい暮らし方を一緒につくれることへのワクワクを感じました。
ご相談時は、思いや計画はありながらも、暮らし方はまだ模索中。お話を重ね、個室をはっきりと設けない「セミワンルーム」を軸に計画を進めました。仕事が大好きなMさん。定年を迎えても仕事を続けることを前提に、暮らしに合わせて「開く・閉じる」を選べることができる大きな3連引き戸を取り入れました。それが空間を彩るアイコニックな存在にもなったと思います。竣工後、仕事や女子会、観葉植物を楽しんでいるお話を聞けて嬉しく思っています。(中田)
アーキテクト:中田浩輔
