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家族をつなぐ、おかえりカウンター
家族をつなぐ、おかえりカウンター
約46平米の広さがあるルーフバルコニーが気に入り、この部屋を買うことに決めたTさん。メインのリビングにルーフバルコニーからの明るさと開放感を取り込むことを第一優先に、リノベーションの打ち合わせが始まりました。
ラワンや大谷石を使いたい、キッチンタイルの目地はオレンジ…など、あらかじめ考えていたイメージを室内に散りばめながら、76平米をのびのびと使ってプランニング。特徴的なのは玄関に入ってすぐの小さな開口。パントリー越しにキッチンにつながっていて、帰宅するとすぐにキッチンから「おかえり」を言える、通称”おかえりカウンター”が家族をつなぎます。
どこかに採用したいと考えていた大谷石は、玄関を入って正面の壁面に。Tさんの素材選びのポイントは「質感や表情にクセがあること」「時間と共に変化していくこと」
玄関横の壁には「おかえりカウンター」。もとは回遊動線を考えていたけれど、使い勝手を考えていくうちに、「開口部のみでいいんじゃない!」とこの形に。床と同じ杉材。
玄関横の部屋を一つ減らし、広々とした玄関ホールに。
奥には家族の衣類がすべて入る大きなストレージ。
洗面台も玄関ホールからアクセス。
寝室は既存の仕上げをそのまま利用し、予算をコントロール。
ルーフバルコニー側は、眺望を楽しめるビッグなワンルームに。経年変化を楽しみたい、と杉の無垢フローリングを採用。
toolboxの木製システムキッチン(ラワン)に、ダイニングテーブルを兼ねたモルタル天板の造作カウンター。
パントリーの奥に見えるのはお帰りカウンター。
空間のアクセントになるよう、斜めにカットしたキッチンとの床段差と、当初からイメージにあった、オレンジのタイル目地。タイル選びが設計の中で一番楽しかったそう。
リビングの一部につくった小さな空間にも、のぞき窓。
PCスペースとして利用している。
ルーフバルコニーとの段差解消も兼ねて、キッチンは少し床の高さを上げた。
壁面につけた棚が、Tさんの趣味のものを置くのに大活躍!
部屋のあちこちまでTさんの好きなもので溢れている。
ルーフバルコニーの広さと開放感が物件購入の決め手。
傾斜地に建つひな壇型のマンション。


家族が増えたことをきっかけに、賃貸ではなく、自分たちらしい住まいを持ちたいと思い始めました。生駒山の眺めと広いバルコニーにまず惹かれて、このマンションに決めました。リノベーションでは「眺めをどう活かすか」「素材はどんなものにするか」と、ああでもないこうでもないと話し合う時間が、振り返ると一番の思い出かもしれません。その中でできた“おかえりカウンター”は、玄関を入ってすぐ、パントリー越しにキッチンとつながる小さな開口部。ここから「おかえり」「ただいま」と声を掛け合えるのが、すごく気に入っています。
無垢材や大谷石など、時間とともに味わいが深まる素材をたくさん取り入れたことで、家も一緒に成長していくような気がしています。窓の外に広がる山の景色を眺めたり、おかえりカウンターで交わす何気ないやりとりが、毎日の暮らしをちょっと特別にしてくれています。ここで過ごす日々が、家族にとってかけがえのない時間になっていくのを楽しみにしています。(Tさん)
初めて現地を訪れた際、のびのびと広がるルーフバルコニーとその眺望の心地よさに魅了されました。この開放感を住まいの中心に取り込みたい。そんな想いから始まったTさんご家族とのリノベーション。文具メーカーで商品開発をされているTさんは素材への感度が高く、「ラワンを使いたい」「大谷石を取り入れたい」「キッチンタイルの目地はオレンジで」といった明確なイメージを最初からお持ちでした。その発想力とこだわりに刺激を受け、ひとつひとつ丁寧に形にしていきました。また、Tさんは設計を学ばれた経験もあり、納まりの理解が早く打ち合わせもスムーズ。デザインと機能、そして家族の距離感を大切にした、温かみのある住まいが完成しました。(鍋野)
アーキテクト:鍋野良太
