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築120年の佇まいをそのままに

築120年の佇まいをそのままに

幼い頃から長らく住んできた築約120年の実家。トイレは離れにあり、お風呂に行くには靴を履かないといけない。広いのに使えていないスペースがたくさんある。そんな理由から結婚したら建て替えるのかなぁとぼんやり考えていたというTさん。ところが結婚して建物を一目見た妻は、「素敵!こんな家に住みたかった!」。そこからリノベーション計画がスタート。内装は築約120年の建物の雰囲気に合わせるように選び、時間を重ねた佇まいを守りながら、今の暮らしにあった住まいへとリノベーションしました。

Outline

  • 物件名/T邸
  • 所在地/泉佐野市
  • 構 造/木造
  • 建築年/不祥
  • 竣工年/2020年
  • 施工面積/109.16㎡
  • 写真:増田好郎

広い土間だった空間に一部床を貼って玄関ホールに。「まるで旅館のような空間になって、人が来たときにも驚かれます。一番気に入っている場所です。」(Tさん)

玄関横の引き戸を開けると、広いリビングダイニング。元は二間続きの和室で、ほとんど活用できていなかったスペース。床は杉の無垢フローリング。空間に馴染ませるように濃い色のオイルステインをTさん自身が塗り込んだ。

リビングは木仕上げの天井と木製サッシを残した。古いものと新しいものが程よく混じり合っている。

小屋裏をあらわすことで天井が高く、明るくなったダイニング。「天井が高くて縁側からの自然光がありとても明るいです。お気入りの階段箪笥を置き、ここでゆっくりくつろぐのが好きです。」(Tさん)

そのままの雰囲気が残る縁側。床はリビングダイニングと同じ杉の無垢フローリングを増し張り。隙間風の入っていた木製サッシは交換した。

長さ3.4メートルのステンレス造作キッチン。キッチンの奥には洗面とお風呂。「トイレが家の中にあること、洗濯や家事が家の中で完結できることに感動です!」(Tさん)

計画当初からイメージにあった、Tさんセレクトのタイル。実はその一つ一つに柄があります。

元々あった型ガラスの木製引戸をそのまま利用。既製品ではない珍しい柄。

120年間この家を支えてきた梁。

神棚に重ねてきた歴史を感じる。

離れと物置を解体して敷地内の建物配置を整理。大屋根は昔ながらの瓦を残し、手前はスレート屋根に葺き替えた。

伝統的軸組工法の平家。床下の基礎補強や筋交の設置、蟻害への対応など構造部分と、浄化槽の設置、給湯器の新設など、インフラ関係を整えるのを優先した。

Staff

  • アーキテクト:山中優
  • コンサルタント:廣川未来

入居者の声

ホームページで型にはまらない色々な事例があったことで、私たちの希望するイメージも実現できるのではと思って、アートアンドクラフトに依頼を決めました。打ち合わせが始まってからは、早く完成してほしいといつもワクワクしていました。大変だったのは、アンティーク家具を手に入れるために、売り切れないよう毎日HPをチェックしていたことくらいでしょうか(笑)。こだわりが実現出来ていくことがとても楽しく、「この家をリノベーションをして住む」という選択をして良かったと感じています。リノベーションをしてからしばらく経ちましたが、好きな場所で毎日過ごせることがとても嬉しいです。天井が非常に高く、今まで生活してきた家じゃないみたいで、ふと旅行先に来ているような感覚になり、楽しい気持ちになります。

担当者より

この家の好きなところを聞かれて、その全てを言葉で説明するのはすごく難しいことだと思います。トイレは離れにあって、洗濯するときは一旦靴を履かないとダメ。だけどこの家の雰囲気が好きだというTさんにとって、煩わしさを残すことも大切だと感じました。古く痛んでしまった構造材は交換と補強を行い、水廻り等の住宅設備は配管を含め全てを刷新する一方で、この家の雰囲気や過ごし方を変えすぎない絶妙なリノベーションでした。キッチンからわざわざ日当たりの良いリビングまで移動してご飯を食べることって、煩わしさではなく贅沢なことだと思いませんか?(山中)

コンサルタント:廣川未来

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