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Mid-Century House YOGI|消えゆく沖縄外人住宅の再生
Mid-Century House YOGI|消えゆく沖縄外人住宅の再生
1950年代後半から1960年代にかけて、沖縄では米軍のために12,000戸ほどの戸建て住宅が民間の手により供給されました。それらの住宅は「外人住宅」と呼ばれて親しまれています。しかし建設から半世紀以上が経過し、一部はショップ等として活用されるものの、いま解体や建替えが急速に進んでいます。
外人住宅は米本国の一般市民の住生活様式を基本にしており、当時の沖縄は元より日本本土の一般的な住宅と比較して、構造および床面積、そして間取りや設備において先進的な住まいであったと想像できます。一方で勾配が小さくフラットな屋根と、地面からの段差が小さい床スラブは、高温多湿の沖縄に決して適しているとは言えない構造でもありました。そして建築後、半世紀を過ぎた電気や水まわり設備は完全に時代遅れになっています。いっそ解体してしまおう。この住宅もそう考えても仕方ない状況でした。
今回のリノベーションでは、さらに50年通用する住宅を目指しました。建物は欠損した躯体コンクリートを補修し、 特殊な繊維シートでコーティングしています。 また、古い電気配線、給排水とガス配管も全て刷新しました。一方で、間取りは現代に通用するとして殆ど改変せず、内装もシンプルに仕上げています。インテリアは建築当時のミッドセンチュリーを意識した名作の家具(レプリカを含む)を集めてコーディネートしました。
本住宅は「住まい」であると同時に、「民泊」および「撮影用のハウススタジオ」としても活用する予定です。し今、沖縄に残る貴重な近代建築として正当な評価をすべきなのではないでしょうか。外人住宅が安易に解体されていく状況に警鐘を鳴らすとともに、本計画が他の外人住宅再生のモデルケースになれれば幸いです。
リノベーション前の外観
リノベーション後の外観
ミッドセンチュリーの家具(レプリカ含む)を集めてディスプレイ。
ダイニングの既存ペンダントライトは現代に使えるよう、LED使用可に改造して再利用。
造作キッチンには、KOHLERのホーロー製シンクやヨーロピアンアンティークデザインの水栓を組み込んだ。
浴室の床はイタリアの古建築から再生利用。洗面台はアンティーク家具にボウルを載せた。
当時を再現し天井にはあえて照明をつけていない。ベッドサイド照明は入口のスイッチで調光可能に。
建物内は浴槽を設けないシャワールームのみとし、屋外ジャグジーを設置。自然の木々が目隠しに。


アーキテクト:中谷ノボル
