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RC造4階建。住居から自社オフィスビルへ用途変更
RC造4階建。住居から自社オフィスビルへ用途変更
大阪市天王寺区四天王寺。住居として使われていた、RC造4階建の中古戸建てを取得し、自社用オフィスビルへとコンバージョンした事例。内外装の刷新・維持管理の軽減・地域へのアプローチの3つを計画の主なポイントとしています。内外装の刷新では、「住居の雰囲気漂う既存の内外装を刷新したい」という施主の要望に対し、更に別の仕上げを施すといった“足し算”の解答ではなく、既存の外部タイルや内装材を剥がすことで現れる表情をデザインとした“引き算”の提案を行いました。
【BEFORE】
建物が道路境界線まで目一杯に建てられており、旧外観では、外壁タイルの剥がれによる落下防止の定期点検と補修工事が必要だった。
【AFTER】既存タイルを剥がし、その表情をデザインとする本提案は、タイル落下の危険性を排除し今後の “維持管理の軽減” も同時に実現している。
外部既存タイルを剥がし露わになったコンクリートの躯体。ボンド跡や解体時の打痕は極力そのまま残した。
湾曲した手摺フレームは再利用し、木製縦ルーバー状の手摺へ刷新。植栽との相性も良い。
階段室は旧仕上げ材を剥がしただけ。下地状況が異なれば、仕上がりの表情もそれぞれ変わってくる。
浴室だった場所に設けた会議室。壁は既存タイルを剥がした表情をそのままに。
旧木製階段は踏面に黒皮鉄の縞鋼板を貼り、蹴上とササラ桁は黒に塗装することで鉄骨階段のような仕上がりに。
各階に渡る執務室の中間階にスタッフ用の休憩室を設けた。
前面道路に面した位置に、大きな開口と透明ガラスのオープンな会議室を。
近接する四天王寺で行われる様々なイベントでの出店参加など、地域や来訪者と繋がる多目的スペースとして利用されることを期待している。
賃貸オフィスでは限界がありましたが、中古物件を購入しプランや素材ひとつ一つまでこだわりリノベーションしたことで、自分がいいと思える空間を実現できました。社員からは、オフィス空間が扉で分断されていないことで、以前よりもコミュニケーションがとりやすくなったと好評です。提案面では、新築なら当たり前と思っていたメンテナンスについて、リノベーションでも、将来のメンテナンスや維持について考慮し提案してくれたことに驚き、安心につながりました。これから経年変化でこの建物がどう育っていくのか楽しみです。
学習教材の制作・販売を事業としているため、学校が多く、四天王寺に近接する土地柄も気に入っています。近隣の方々が声を掛けてくれるなど、皆さんあたたかいです。まだ実現できていませんが、地域に開放した1階のオープンスペースもいずれ活用していきたいですね。
剥がしてみないと最終的にはどのようになるか解らない挑戦的な提案でしたが、お施主さまの寛容さで実現できたことに感謝します。結果的に内外装は刷新され、この建物でしか実現できない唯一無二のコンバージョン実例となりました。(枇杷)
アーキテクト:枇杷健一
