大阪のフォークロア@老松町

「フォークロア」って言葉をご存知でしょうか?
昔から人々の間で語り継がれ受け継がれてきた習慣、信仰、儀礼、説話、民謡、諺など,およびその研究のことをまとめて指す言葉だそう。

今回ご紹介する大阪のフォークロアは『老松町』。

でも、グーグルマップで「老松町」と入力してもここで取り上げる「老松町」という町は出てこない。今は区画整備を経て「大阪市北区西天満」という名前になっている。

「老松町」って言われても「どこ?」ってなる人も多いのでは?

今は町名としては使われていないが、北区西天満を東西に伸びる老松通り一帯は、古くから大阪天満宮の参詣道として栄えた町で、今でも「老松町」という旧地名で呼ぶ人がいるほど大阪の中でも特にキャラ立ちした町。


左:大江ビルヂングはランドマーク的存在。館内は写真撮影禁止…

ギャラリーや画廊、古美術商が80〜90件ほど軒を連ね、隣の北新地とはまた違った雰囲気の老舗料亭や蕎麦屋、小料理屋が多く、裁判所が近いため弁護士事務所や司法書士事務所も多いのでどことなくアカデミックな印象を受ける。

レストラン、隠れ家的なバーやコダワリの雑貨屋なんかも増えているようだ。

先日、老松通りに面したビルの一室をアートアンドクラフトがリノベーションして大阪R不動産で賃貸募集することになったので近所を散歩してみた。

まずは、物件の近くにある7月末にオープンしたばかりのお店へ。

◎credenzaにて
http://credenza.jp/

credenzaは築約40年の建物の一室に7月末にオープンされたばかりのお店。

「掌におさまるものが好き」という店主の堀さんが蒐集したモノはどれも思わず手に取ってみたくなる。掌でその重さや質感を楽しんでいると堀さんが商品について丁寧に説明してくれる。その話を聞くと自分では気付かなかった視点でモノを眺めることができ、ますます興味が湧いてくる。

堀さんは大阪市内で物件を探されていたそうだ。
なぜ「老松町」という人通りがあまり多くないエリアでお店をオープンしたのか聞いてみた。

―credenza堀さん
「人の出入りが激しいエリアに行くと、お金とモノのやり取りばかりを追求する関係がとても刹那的に思え、じっくりモノや人と向き合うことができないことに窮屈さを感じることがあり、自分の店では、作品やプロダクトとじっくりと向き合っていただきたいと思っていました。そこで、お客さんが通りがかりだけではなく、ちょっと一手間掛けてお越しいただくようなエリアを探していたんです。物件を探しているときに何気なくここの路地に入ってこの天井が道から見えて気になっていたら、たまたまここが空いていたので借りることにしました」


credenzaのある路地。画面右下の物体が気になる…

と、ひょんなきっかけで老松町の古い建物の一室で店を開くことになった堀さんだが、もともと老松町のイメージはどんなものだったのだろうか?

―credenza堀さん
「老松町を初めて知ったのは20代前半のころ。そのときは店の敷居が高くて、店に入れても高くて手が届かない、大人のエリアだと思いました。最近は、自分が年を重ねた、というのも大きな理由ですが、20代の頃に感じた閉鎖感のようなものは当時ほど感じなくなりました。興味や好奇心のある者に対して入り口が開いてきたように感じます。自分の店は刹那的な消費を楽しむ場にしたくないので、老松町にはそれをはじく力がまだあり、今の自分に合ったエリアだと思います」

堀さんが言うように老松町界隈にはいい店が多くいい町だと思うが、その魅力はまだまだ知られていない。「自分の店だけだはなく、この街を今まで以上に楽しんでもらえるよう、エリアの魅力を分厚くしていくことが大切だと思います。」と言う堀さんがいる老松町。どんな風に変わっていくのかこれから楽しみだ。

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再び町に出て散策を続けること1時間…
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法律関係の事務所や昔からあるようなギャラリー、画廊、そして古美術商がとても多い。
どこも敷居が高く感じられてなかなか店に入ることができなかった。歩き疲れて老松通りにある珈琲店に入ることに。


画面右下の小さな珈琲店へ

◎とある珈琲店にて
昔ながらの喫茶店でリラックスできる空間でほっと一息。
その都度豆を挽いて淹れてくれる珈琲はおいしく元気が出てきたら、店主と常連と思わしきいかにも老松町にいそうな品のある婦人たちの話が聞こえてきた…

「この辺って今何て言うん?」
「西天満…昔は老松町ゆうて、いい名前があったのにホンマ残念やわ」
「ほんまやな~」

と、こんな会話を聞いているとやはり昔からこのあたりにいる人は「老松町」という町の呼び方が好きだったんだな、と彼女たちのこの土地への愛着を感じた。

正式な町の呼び方ではないけれども「老松町」という呼び方が忘れられないために、大阪に住むひとりの人間としてここを「老松町」と呼び続けたいと思った。

(ちゅら)

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