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香川県三豊市で見てきた!地域の人々がつくる魅力と挑戦

香川県三豊市で見てきた!地域の人々がつくる魅力と挑戦

リノベーション事業者の集まりである「リノベーション協議会 関西支部」のメンバーで、視察旅行に行ってきました!毎年日本のどこかへ視察に出かけているのですが、今年はA&Cが企画・主催を担当。今回の行き先は、香川県!建築はもちろん、地域の人々の活動やまちづくりなど、見どころ盛りだくさんの視察旅行となりました。そんな香川視察の様子を、2回に分けてご紹介します!

記事の著者

椋本智恵
Arts &Crafts アーキテクト

兵庫県宝塚市生まれ。大阪市立大学大学院修了。在学中の長屋改修をきっかけにリノベーションの道へ。ハウスメーカーで新築住宅の設計を経て、2018年にアートアンドクラフトへ入社。住宅やオフィスの設計に携わる。

薪火グリル付き一棟貸し宿泊施設『Ku;bel』

まず初めに訪れたのは、香川県三豊市の父母ヶ浜の目の前にある、薪火グリル付きの一棟貸し宿泊施設『Ku;bel(クーベル)』さん。施設名は「焚べる」「食べる」「しゃべる」をつなげて「Ku;bel」と名付けられたそう。『薪火グリル付きの一棟貸し』というだけで、もうワクワクしちゃいますよね!

目の前に広がる「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」は、ウユニ塩湖のような鏡張りの写真が撮れることで話題となった、「日本の夕陽百選」にも選ばれている絶景スポット!

父母ヶ浜の景色に魅了されながら、一見倉庫のような建物内へ足を踏み入れてみると、そこには白を基調にしつつ木調の温かみを感じる明るい大空間が!薪火の暖かな炎がゆらゆらと揺らめき、外観からは想像できない心地よい空間が広がっていました。

空間の中心にあるのは、大きなキッチン。ゲストがホストである料理人・浪越さんと一緒に料理を楽しめるよう、キッチンを囲んで自然と人が集まるつくりになっています。

そして、設計者として特に目を奪われたのが、シンクまわりの美しい曲線壁!なんと、舟底をモチーフにしたデザインで、実際に船大工の方が施工されたのだとか。船をつくる職人技がキッチンに活かされているなんて、面白いですよね!

そして、お待ちかねのお食事!オーダーメイドで製作されたこだわりの薪火グリルで焼き上げ、父母ヶ浜の自家製の塩で味付けされた料理をみんなでいただきました。

かつて塩田だった父母ヶ浜。そんな土地の歴史まで味わえるお料理に、設計を担当された「しわく堂」の平宅さんによるプレゼン付きという、なんとも贅沢な食事会です。

ちなみに、ダイニングチェアの中には、超有名音楽プロデューサーのサイン入りの椅子を発見!ここで音楽制作をされる方もいらっしゃるそう。波の音を聞きながら、薪火の暖かな炎を眺めて過ごす時間。確かに、こんな場所ならいつもとは違うアイデアが生まれそうですね。

そして、宿泊スペースもまた面白い!1階には寝室が複数設けられているほか、はしごを上がった小屋裏にはドミトリーのような寝床がいくつも並んでいます。天井の高さを活かした、ちょっと秘密基地のような空間に、思わずワクワク!

そして帰りには、お隣の浪越さんのカフェ『cafe de flots』さんで、父母ヶ浜の塩を購入。満月の日の海水からできた塩や、新月の日の海水からできた塩など、いろいろな塩を食べ比べさせていただきました。

ひと口ずつ味わって、私が連れて帰ることにしたのは、やさしい味わいの新月の塩。

料理を囲んでみんなで賑やかに過ごしたり、思い思いの場所でゆっくり過ごしたり。建物のつくりそのものが、ここでの過ごし方を楽しくしてくれる。ただ泊まるだけじゃなく、ここで過ごす時間そのものが思い出になりそうな場所でした。

【Ku;bel】の詳細はこちら▶

【cafe de flotsl】の詳細はこちら▶

卒業のない市民大学『瀬戸内暮らしの大学』

続いては、三豊で活躍されている「しわく堂」の平宅さんの案内のもと、まち歩きへ。その土地で活動されている方に案内していただくまち歩きって、観光だけでは知ることのできない暮らしの魅力や、地元への愛着が伝わってきて面白いですよね。

そして、「しわく堂」さんが設計された『瀬戸内暮らしの大学』に到着!こちらは、年齢や住む場所に関係なく、誰もが学び続けることのできる「卒業のない市民大学」です。

確かに、大人になってからこそ学びたいことって、どんどん増えていきませんか?仕事のこと、暮らしのこと、趣味のこと。住む場所や世代を超えて、新しいことを学び、人とつながり、挑戦できる場所がある。そんな場所の存在が、地域での暮らしをより豊かにしてくれるのかもしれませんね。

そして、私が「面白い」と感じたのが、2階にある控え室。なんと、キャバレーと歌舞伎をイメージした空間になっているんです!どこか懐かしく、ちょっと非日常的な雰囲気に、遊び心を感じます。

『瀬戸内暮らしの大学』では、生徒として学ぶだけでなく、先生として教える側にもなれるそう。こんな控え室を使えるなら、講師として参加してみるのも楽しそうですね!

小さな挑戦から広がる、三豊のまちづくり

続いては、三豊市仁尾町周辺をぶらぶらとまち歩き。

かつて、このあたりには飲食店もほとんどなかったそうですが、最近では移住してきた人や地域の人たちが始めた小さなお店が、少しずつ増えているそう。
実際に歩いてみると、個性豊かなお店が自然と街並みに溶け込み、どこか親しみやすい雰囲気を感じます。三豊には、魅力的な建物や場所があるだけでなく、「何かやってみたい!」という人の挑戦を受け入れる土壌がある。

先ほど訪れた『瀬戸内暮らしの大学』のように、学びや人とのつながりが生まれる場所もあり、そこから新しい活動やお店が生まれていく。移住してきた人が地域に根付き、新しいことに挑戦し、それがまた次の人を呼び込む。そんな小さな挑戦が積み重なって、少しずつまちの風景が変わっていくのが面白いですよね!

そして、そんな挑戦の舞台になっているのが、まちに残る建物や場所。歴史ある建物が新しいお店に生まれ変わることで、人が集まるきっかけになったり、今までなかった交流が生まれたり。そんなふうに、今ある建物の魅力を活かしながら、新しい人や活動を受け入れていく。

リノベーションには、まちに新しい日常を生み出す可能性があるのだと、三豊のまちを歩きながら改めて感じました。

旧銀行を活用したアートスポット『アートバンク』

続いて訪れたのは、旧銀行の建物を活用した体験型アートスポット『アートバンク』。こちらは、大人も子どもも気軽にアートを楽しめる場所です。自由に使える画材や絵の具を使って、Tシャツやお皿、タイル、さらには普段なら絶対に描いてはいけない窓ガラスにまで、自由に絵が描けるんです!

普段「やっちゃダメ!」と言われることを、思いっきり楽しんでいいなんて、ちょっとワクワクしませんか?そして、私が気になったのは、旧銀行で使われていたカウンターを活かし、空間のデザインのポイントにしているところ。銀行だった頃の面影が、今の空間にもちゃんと残されているんです。

さらに、ファサードの顔となる花壇の煉瓦や、赤褐色の床タイル。そうそう、これこれ!古い建物ならではの、懐かしさとちょっとした色気を感じる素材たち。そんな魅力ある部分は、とことん残して活かされているんです。

新しくきれいにつくり替えるだけではなく、建物が積み重ねてきた時間や記憶を、今の使い方につなげていく。そこには、私たちArts&Craftsが大切にしているリノベーションの考え方にも通じるものを感じました。かつてお金を扱っていた銀行が、今では誰もが自由に表現を楽しめる場所になっている。建物の使い方が変わることで、まちとの関わり方まで変わっていくというのも、リノベーションの面白さですね!

【アートバンク】の詳細はこちら▶

三豊のまちを歩きながら、建物だけでなく、そこで暮らす人や活動がまちの魅力をつくっていることを感じた1日でした。そして、この日のうちに琴平へ移動!

香川視察旅行、2日目・琴平編へ続きます!