Column

PORTER’S PAINTSの塗装体験に行ってきました!

PORTER’S PAINTSの塗装体験に行ってきました!

普段、設計打合せをしていると、「床は無垢フローリングが好きです」「キッチンはステンレス天板で」「扉はこんな雰囲気にしたいです」と、皆さんそれぞれに素敵なこだわりをお聞かせくださいます。

一方で、壁については、「壁は白で大丈夫です」と、あっさり決まることも。でも実は、空間の中で最も面積が大きいのは「壁」です!だからこそ、壁の仕上げひとつで空間の印象は大きく変わります。

そこで今回は、リノベーションでも人気の高い「PORTER’S PAINTS(ポーターズペイント)」のショールームへ伺い、実際に塗装体験をしてきました。

記事の著者

椋本智恵
Arts &Crafts アーキテクト

兵庫県宝塚市生まれ。大阪市立大学大学院修了。在学中の長屋改修をきっかけにリノベーションの道へ。ハウスメーカーで新築住宅の設計を経て、2018年にアートアンドクラフトへ入社。住宅やオフィスの設計に携わる。

なぜPORTER’S PAINTSに興味を持ったのか。 

PORTER’S PAINTSについて調べていて、私が「へぇ〜」と思ったことがあります。それは、海外では病院などでビニールクロスの使用が制限されるケースもあるということ。私たちにとって当たり前の素材も、世界では必ずしも当たり前ではないんですね。PORTER’S PAINTSは、環境や人体への配慮がされており、長く暮らす住まいの素材として、とても魅力的に感じます。

そしてもうひとつ共感したのが、「家に愛着を持ってもらう」ということ。完成したら終わりではなく、時間とともに価値が増していく。そんな住まいがもっと増えて欲しい。

その考え方に、私たちがリノベーションで大切にしている、「長く愛される住まい」と通じるものを感じました。

PORTER’S PAINTSとは?

PORTER’S PAINTSはオーストラリア生まれの自然由来成分にこだわったペイントブランドです。「壁一面からまちをつくる」をミッションに、ただ色を塗るだけではなく、住まいへの愛着や暮らしの楽しみを広げる活動を続けられています。

見た目は、色を塗るというよりは、「壁に表情をつくる」という方がしっくりくるかもしれません。PORTER’S PAINTSでは、16色の顔料と、7種類の媒材、鉄や銅・石灰の素材の組み合わせにより、多彩な質感や陰影をデザインできます。

航空機や絵画材料の修復から着想を得た、PORTER’S PAINTSしかない顔料による発色も魅力的ですが、さらに、大きな魅力は光によって表情が変わること。同じ壁なのに、時間ごとの光によって違う顔を見せてくれます。

住み始めてから、「この時間のリビング、なんか好きなんだよな〜」そんなお気に入りのシーンが増えるのも、PORTER’S PAINTSならではかもしれません。

実は塗料の中に本物の素材が入っています

PORTER’S PAINTSの特徴のひとつが、その質感です。

商品によって異なりますが、石灰や大理石などの天然素材が塗料に練り込まれており、光の当たり方によって陰影や表情が変化します。

クロスのように均一な仕上がりではなく、少しムラや揺らぎが生まれることで、壁に奥行きが感じられます。「塗料」というより、左官材や自然素材のような温かみのある質感が印象的でした。

「窓横の壁に合いそう〜」「天井に使うのも面白そう〜」と、ついつい想像が膨らみ、設計者もわくわくしちゃう。

私が特に気になったのは、塗料の中に銅や鉄の粉末を混ぜ込んだ特殊なテクスチャーペイントです。経年変化による酸化によって、緑青(ろくしょう)が浮いた古びた銅や、味わいのある鉄錆の風合いを表現することができます。

さらに、経年変化を待たずに緑青や鉄錆を再現できる上塗り材もあり、
私たちが見学に伺ったAdd Wallさんの外装にも使われていました。

実際に見ると、「え!これ、本当に塗装?」と思ってしまうほどリアルな質感。

まるで長い年月を重ねた雰囲気で、印象に残りました。いつかぜひ採用してみたい仕上げ材のひとつです。

手仕事だからこその味わい

PORTER’S PAINTSは、少しずつ人の手で仕上げていきます。そのため、まったく同じ仕上がりは二つとありません。少しムラがあったり、ハケ跡が残ったり。

「ムラって大丈夫?」と思われるかもしれませんが、PORTER’S PAINTSではそのムラこそが魅力です!このムラのおかけで、クロスにはない、奥行き感や温かみが生まれます。 

「人の手でつくられていること」に魅力を感じる方には、きっと心惹かれる仕上げだと思います。

設計者一同で塗装体験に行ってきました!

今回お伺いしたのは、大阪エリア販売店で玉造にあるAdd Wallさんのショールームです。

▶ショウルームの詳細はこちら

私たちが体験した「STONE PAINT COARSE TOFU(豆腐)」は、思っていたよりも難しくなく、楽しみながら施工することができました。

ちなみに、PORTER’S PAINTSには「TOFU(豆腐)」や「MIZUNA(水菜)」といった、日本をモチーフにしたカラー名もあります。ショールームで見つけたときは、「豆腐!?」「水菜!?」と、設計者一同少し盛り上がりました。(笑)海外から見た日本色が食物で表現されているのも、なんだか面白いですよね。

ただ、実際にやってみると、「思ったより自分で塗れる。楽しい!」「でも職人さんはやっぱりすごい!」というのが感想です。

ハケの角度や力加減によって表情が大きく変わるため、同じ材料を使っていても、人によって仕上がりが全く違います。

完成したサンプルを見比べながら、「こっちの表情が好き」「これは味があって良いね」と盛り上がったのも印象的でした。

もちろん、仕上げ材によって難易度は異なります。

完成したあとに、「この壁、自分で塗ったんです!」と話せるのは、施主工事ならではの魅力ですね。

採用前に知っておきたいこと

もちろん、良いことばかりではありません。一般的なクロスや塗装に比べるとコストは高くなりますし、仕上がりには手仕事ならではの個体差があります。また、施工方法はメーカーによる責任施工と、施主さん自身で塗装する施主工事の2種類があります。施主工事の場合は、事前にショールームで塗装体験を行い、レクチャーを受けていただく必要があります。

私たちが提案したくなる理由

設計者としてPORTER’S PAINTSの空間を見るたびに感じることがあります。

家具を置いても素敵。何も置いていなくても素敵。そして写真より実物の方が、ずっと素敵!

これ、実はなかなか珍しいことです。完成した瞬間がピークではなく、暮らしが始まってから、少しずつ愛着が増していく…

その上、環境や人体にも配慮されていて安心。そんな楽しみや安らぎを長年与えてくれる素材だからこそ、私たちもつい提案したくなってしまいます。

もしかすると数年後、「やっぱりこの壁にして良かったな〜」と、コーヒー片手に壁を眺める時間が増える。PORTER’S PAINTSは、そんな暮らしの楽しさをつくってくれる素材かもしれません。

Arts&Craftsでの施工事例

北摂のヴィンテージマンションを購入したNさん。竣工後、ご自身でPORTER’S PAINTSで壁を塗装しました。

▶事例の詳細はこちら