水廻りのリノベーションでこだわりたいところといえば、キッチン、浴室、洗面台‥?
後回しになりがちだけれど、トイレは実はデザインを遊べるポイントです!トイレのリノベーションでできることできないこと、デザインのアイデアなどをまとめました!
記事の著者
松下文子
Arts &Crafts 取締役副社長
大阪府生まれ。大阪市立大学生活科学部居住環境学科を卒業。不動産デベロッパーを経て、2014年にアートアンドクラフトに入社。不動産の知識を活かし、自分らしい住まいづくりのコーディネートをしています。二級建築士/宅地建物取引士。
トイレの機能は飛躍的に向上
洋式便器が普及し始めた1970年代頃、1回の大洗浄にはなんと16Lもの水が必要だったというトイレ。その後、節水機能がどんどん進化して、2012年頃からは1回の洗浄で約4Lと、当時の1/4くらいの水で洗浄ができるようになりました。さらにお掃除のしやすさなど、各メーカー、様々な機能のものが販売されています。性能を重視するのか、シンプルな機能でお求めやすいものにするか‥比較検討して暮らしに合ったものを選びましょう。
トイレの種類
トイレには実は大きく分けて4種類あります。
まずは一番普及している、組み合わせ便器。便器とタンクに別売りの便座を組み合わせる事ができます。価格が比較的安価なことと、便座が自由に選べるので、ウォシュレットが欲しい人はもちろん、ウォームレットだけ、洗浄保温機能のないシンプルな便座、デザインが可愛い木製便座など自由に選べることもメリットです。
続いて、便器、タンク、便座が一体の一体型トイレ。凹凸が少ないデザインで掃除がしやすいことがメリットです。デメリットとしてはウォシュレットなどが故障した時に便器ごと取り替える必要があることが挙げられます。
3つめは、水を溜めるタンクがない、タンクレストイレ。スッキリしたデザインが人気ですが、機器自体の価格が比較的高いことと、手洗いがないので、洗面台がトイレの近くにない場合はトイレ内に手洗いを設置する費用もかかります。また、後述しますが設置ができない場合もあります。
そして手洗いや収納などがセットになっているシステムトイレ。タンクレストイレを設置したかったけれど難しい場合など、タンクを収納の中に隠すことが出来るタイプもあります。
それ以外にも、ロータンクやハイタンクといった、タンクの形状に特徴のあるトイレが以前は有りましたが、徐々に廃盤になり、現在では殆ど見られなくなりました。
タンクレストイレや樹脂トイレ、採用できないことがあるってホント?
すっきりスタイリッシュなデザインで採用を希望する人が多いタンクレストイレ。その名の通り水を貯めるタンクがないので、水道の水圧がじゅうぶんであることが必須条件になります。特に、戸建ての2階以上のトイレや、マンションの上層階の部屋などではタンクレストイレを設置できる水圧がない場合が多くあります。事前にトイレの水圧を確認してから発注をする必要があります。
また、従来の陶器でなく特殊な樹脂で出来ているトイレが発売されています。汚れがつきにくくお手入れが楽という特徴があり、希望される方も多いですが、実は樹脂トイレは不燃材ではないので、防火関係の法令の関係で、ビルやマンションでは設置が難しいことがあります。地域によって異なる場合もあるので、詳しくは個別に確認が必要です。
トイレの位置変更
戸建住宅の場合は、トイレの位置は比較的自由に変えられます。マンションの場合、トイレの位置変更は要注意。排水を一定の勾配を保ちながら、既存の汚水縦管に繋ぐ必要があるためです。基本的には元々合った位置で。もし必要な場合でも、元の位置に近いところで方向を変えたりする程度にとどめておいたほうが良いでしょう。
また、トイレの排水方法には床排水、壁排水の二種類があります。排水の方法や位置によって、移動できるかや、交換できる機器が決まる場合もありますので、現地調査では排水の方向と位置も要チェックです。
トイレのデザイン、ちょっと攻めても大丈夫!
さて、トイレのデザインで遊べるってどういうこと?
リノベーションの打ち合わせの際に、「トイレは他のところとデザインを変えても面白いですよ!」というお話をさせていただくことがよくあります。例えば、柄の派手な輸入クロスを使ってみたい場合。リビングや個室では使うのに勇気がいるという人でも、トイレだったら他の部屋と別の空間なので、多少他と雰囲気が異なっても大丈夫、思い切ってやりたいことに挑戦してみるのもおもしろいでしょう!
・トイレの壁に柄のある輸入クロスを採用した事例。明るいレモン色が空間のポイントになっています。
・カラフルな色使いが特徴的な事例ですが、トイレは他と少し違ってブルーで統一。イメージは、21世紀美術館のプールです。
洗面や浴室と一体にした、広いトイレ
「便器だけがある狭いトイレは嫌!ほっと一息つきたい!」というご要望をいただくことがあります。そんなときには、海外のホテルでよく見られるように、洗面とトイレ、浴室とトイレを一体化してしまうのもおすすめです。広々として、明るいトイレが実現できます。
・トイレと浴室が緩やかにつながる事例。室内窓が有り、閉塞感のないトイレになっています。
・オトナのひとり住まいの事例。脱衣所とトイレが一体化した空間になっていて小さな面積でも広く使える工夫がされています。
形に特徴のある便器を採用した事例
昔はよくあった、ハイタンクのトイレやロータンクのトイレなど、徐々に廃盤になりあまり見られなくなりましたが、デザインのおもしろさから採用することもあります。また、海外のトイレを採用した事例も。
・デザイン面から海外製のトイレを採用した事例。グレーの空間とエッジの聞いた便器がかっこいい!
・アートアンドクラフトの事務所では、今ではあまり見られなくなったハイタンクやロータンクのトイレを見ていただけます。もし既存でこんなトイレが付いていたら、そのまま利用してしまうのも面白いかもしれません。
トイレのリノベーションにも、いろんな可能性があります。シンプルにまとめるもの良いですが、少しデザインで遊んでみるのも、リノベーションを楽しむポイントかもしれません!
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アートアンドクラフトではトイレのリノベーションを含む、全面的なリノベーション工事を得意としています。まずはお気軽にご相談ください!
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文:松下文子 Arts &Crafts 取締役副社長