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家の半分は撮影スタジオ!職住一体の暮らし

元は二戸だった部屋を以前の所有者が一戸にした状態で販売されていた、いわゆるニコイチ住宅を購入されたTさん夫婦。専有面積は113㎡超。エレベーター無しの5階建て最上階。それでもこの家に決めたのは、カメラマンの妻たっての希望だった、職住一体を叶えられる広さ。そして、窓にぐるりと囲まれた既存建物(ストック)の個性にピンときたから。

仕事場となるカメラスタジオはがらんどうの倉庫のような空間にリノベーション。対照的に、居住スペースは古い建具やパーツを使い大正ロマンな装飾を取り入れました。玄関にキッチン、バルコニーに面した浴槽という既成概念に捉われない配置も特徴的な住まいとなりました。

仕事場である撮影スタジオ。機材や資料を置いても圧迫感を感じさせない広さを確保した。床はモルタル仕上げにアクアカラー(コンクリートステイン)のホワイト塗装。「エレベーターなしの5階って写真スタジオとしては条件最悪(笑)ですが、スタジオ内での仕事がほとんどなので、なんとかなるかと。機材の移動が大変な仕事が入ったら、誰か若い人に手伝ってもらうかその時に考えよう、くらいで、内覧はこの1物件だけで購入を決めました。(Tさん)」

撮影スタジオの無機質な空間の奥に、温かみのある居住スペースが垣間見える。向かって左の扉がキッチン、右の扉がリビングへとつながっている。

仕事道具がびっしり入るストレージを造作。

トイレは仕事場と居住スペースのちょうど真ん中に設けた。

元々洋室があった場所に浴室を大移動!バルコニーに植栽を置いてめざすは「ジャングル浴室」

ハーフユニットの大きな浴室(1620サイズ)。ホワイトのサブウェイタイル仕上げで明るく清潔感のある空間となった。ガラスブロックのパーテションで洗面と緩やかに仕切られている。

2個ある玄関のうち、居住スペース側を開けるとすぐ目に飛び込んでくるのはキッチン。LDとは切り離した位置で大きなPSを囲むようにL字型に配置した。

数種類のデザインガラスを組み合わせて造作した3枚引き戸。扉を開けて建具が3枚重なった時の重なりを検討しながらデザインを決定した。

寝室とリビングを仕切る建具。中央の2枚はアートアンドクラフトの古物商「まだがんばらせてください」のもの。両サイドの2枚はデザインを似せて新しく造作した。天井は2人の好きな近代建築レストランのデザインを参考に。リビングから寝室へとラインがまっすぐつながっている。

障子越しに柔らかい光の入る寝室。天井はリビングと併せてデザインした。

入居者の声

古い建物には新築にはない面白みがあります。不思議で非効率な一面もあるけれど、せっかくあるんだったら楽しみたい。そもそも撮影スタジオを作りたいという希望があったので、新築だと自分たちのニーズに合いませんでした。以前は仕事と生活が重なってしまってストレスを感じていたので、物件探しは広くて生活と仕事が分けられるというのが第一条件、それとアートアンドクラフトにお願いすれば、なんとなく持っている理想に到達できるかと(笑)。絶対に実現したいデザインはなくて、なんとなく希望を伝えて、どんな提案が返ってくるのかワクワク待っていました。工事が始まる直前に妊娠が発覚して「子供部屋を計画していない」と気がつきましたが、そもそも将来のことは誰にもわからない。家族構成も、仕事も、変わるかもしれないけれど広ければなんとかなると、プラン変更をせずに工事を行いました。生活と仕事を一緒にしつつ、できるだけ重ならないように、けれど一つ屋根の下という叶えたかった暮らしを実現できました。(Tさん)

OUTLINE

物件名/T邸
所在地/尼崎市
構 造/RC造
築年月/1973年
竣工月/2017年1月
施工面積/113.21㎡

*工事費:非公開

*A&Cで物件探し

写真:平野 愛

担当者より

キッチンと浴室の位置がポイントになったプランニング。「バルコニーに面した浴室をつくりませんか?植栽を置いたら素敵じゃないですか!」とジャングル浴室案を提案したアーキテクト。それに「面白いですね!」と乗ってくださったTさんご夫婦。当初からのご要望である職住一体の暮らしにプラス、こうした方が楽しいかも!と散りばめられたアイディアたち。「写真撮影と一緒である程度の制約がある中で考えるのが楽しい。まさにリノベーションがあっている」とのTさんの言葉の通り、柔軟でクリエイティブな住まいづくりを一緒に楽しませていただきました。(岡本)

STAFF

アーキテクト:堀野 彩
コンサルタント:岡本典子

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