「今住んでいる自宅をリノベーションしたい。」新しく物件を購入する場合だけではなく、もちろんご自宅のリノベーションのご相談も多くいただきます。自宅をリノベーション、いつかはしたいと思っていても「まあとりあえず住めているし・・」と思って先延ばしになってしまうことがよくあります。仮住まいは必要なの?自宅のリノベーションにもローンは使えるの?どんな流れで検討するのがいいの?といった疑問に答えました。
記事の著者
松下文子
Arts &Crafts 取締役副社長
大阪府生まれ。大阪市立大学生活科学部居住環境学科を卒業。不動産デベロッパーを経て、2014年にアートアンドクラフトに入社。不動産の知識を活かし、自分らしい住まいづくりのコーディネートをしています。二級建築士/宅地建物取引士。
目次
仮住まいスケジュールを決めてしまおう!
工事のタイミングはご自身やご家族の状況次第ですが、なんとなく先延ばしになっているのであれば、思い切って一度スケジュールを立ててしまいましょう。その時にポイントとなるのは仮住まいの時期。間取り変更、設備と内装の更新などを含むリノベーションを行う場合、ほとんどのケースで3〜4ヶ月程度の仮住まいが必要となります。(アートアンドクラフトでは、住みながらの工事は基本的にお受けしておりません。)
仮住まいと言っても、もちろん住んでいる人だけでなく、家具や家電、家財も全て一度別の場所に移す必要があります。工事前と工事後、2回の引っ越しをするのはなかなか大変。また、自宅のすぐ近くに仮住まい場所が借りられれば良いですが、離れたところでしか見つからない場合などは、通勤や通学にも影響がでます。なるべく仮住まいが負担にならない時期を目掛けて工事の時期を決めるのがおすすめ。どの時期でもあまり変わらないのであれば、引っ越しが安い夏場や冬場などを目掛けるのもひとつです。
仮住まい先、どうやって探す?
一般的な賃貸住宅は借りる際に、礼金や仲介手数料が必要なため、短期間で借りようと思っても大きな初期費用がかかります。また、短期間での賃貸は嫌がられる場合もあります。マンスリーマンションなど、当初から短期利用を想定した物件を探すのがおすすめです。他にも、近くの実家に一時的に滞在する方や、ホテルのウィークリープランを利用する方もいらっしゃいます。そう言った場合は、大型の家具や家電はトランクルームを合わせて利用する場合もあります。いずれにしてもその間の費用も忘れずにリノベーションの予算に入れておく必要があります。
自宅のリノベーションに住宅ローンは使える?
住宅ローンは住まいを購入するときにだけ使えると思われていることが多いですが、自宅をリノベーションする場合にも利用できます。自宅の購入の際に汲んだ住宅ローンの残債がある場合は今の住宅ローンにリノベーションの費用を上乗せして借りる「借り増し」や、別の金融機関で住宅ローンの残債分とリノベーション費用を合わせて「借り換え」することも可能です。また、現金で住宅を購入された場合や、すでに住宅ローンの支払いを終えている場合でも住宅を担保に入れればリノベーション分を住宅ローンで借り入れることは可能です。(金融機関・審査結果によって内容は異なります)
住宅の所有者が別にいる場合や、すでに借りている住宅ローン以上借りることが難しい場合などで、ローンを使ってリノベーションをしたい場合は無担保のリフォームローンを利用します。低金利で長期間借りられる住宅ローンに比べてリフォームローンは短期間で金利も高めなので、借入の際には注意が必要です。ただし、リフォームローンの方が諸費用が抑えられる場合などもあるため、短期間で返済してしまいたいという方にはリフォームローンの方が向いている場合もあります。自身にはどれが向いているのか、金融機関とよく相談しながら進めましょう。
自宅のいいところは一番よく知っている
自宅のリノベーションをするとき、「ここを変えたい、ここが嫌!」ということに意識が行きがちですが、「一番いいところ」もぜひ教えてほしい内容です。風のとおる窓際が気持ちいい、小さな窓からの景色が素敵、この照明が実は気に入っているんです、などなんでも構いません。リノベーションをするからといって、全てスケルトンにして変えてしまう必要はありません。実際に住んでいるからわかるいいところを読み解き、うまく活かしながら設計を進めましょう。暮らしの実感があるからこそ、コストのコントロールがしやすいのも自宅リノベーションのメリットです。
自宅をリノベーションした事例
・大阪市内のスキップフロアのマンションに住むYさんご家族。今の住まいも気に入っているけど、コンパクトなマンションをリノベーションして暮らしたい!そう思って物件探しをしたもののなかなか見つからない。じゃあ、自宅をリノベーションする!?そんな担当者の一言からリノベーション計画がスタートしました。
・新築で購入したマンションに12年暮らしてからリノベーションした、ご夫婦+一匹の暮らし。京都や奈良の禅寺の凛とした雰囲気を参考にしたという室内に散りばめられたふたりらしさが居心地の良い空間をつくり出しています。
・賃貸で借りていた住まいが売りに出ることがわかり、購入されたSさんの住まい。窓からのリバービューの心地よさは何にも代えがたい!住んでいたからこそわかる心地よさをプランに最大限に取り入れました。
住み替えか自宅のリノベーションか。
2回も引っ越すなら住み替えたいという考えの方ももちろんいらっしゃるでしょう。今の住まいがある程度気に入っていて、環境を変えたくない、でももう少し広ければいいのにな・・と言った場合は、同じような条件で物件を探すのは至難の業。間取りの工夫である程度使いやすくすることも可能です。自宅のリノベーションを一度検討してみるのも良いと思います。一方で、環境をガラッと変えたい、マンションから戸建てに住み替えたいなどどうしても自宅リノベーションでは叶えられない希望がある場合は住み替えが必要になるでしょう。
アートアンドクラフトでは、どちらも並行して比較しながらご相談をお受けしております。まずはお気軽にお問い合わせください。
大阪R不動産では、リノベーションの素材となる物件紹介もしています。
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文:松下文子 Arts &Crafts 取締役副社長