
うららかな4月の週末、大阪メトロ四つ橋線のとある駅に、ツアー定員の20名が揃っていました。
ここは「北加賀屋」。
アートに興味のある方なら、その地名に覚えがあるのではないでしょうか。
今回は、各分野のスペシャリストがそれぞれ独自の視点でガイドするミニツアーを企画する”まいまいツアー”さんとのコラボが叶い、大阪R不動産の山田によるガイドで北加賀屋のまちを練り歩いて来ました!
参加者は、北加賀屋に初めて来たという方から、北加賀屋に住んでいるという方までさまざま!
アートの街・北加賀屋
ここは「北加賀屋」。
感度の高い人なら、その地名に覚えがあるのではないでしょうか。
南港に位置するこの街には、かつて造船業で栄えたころの残り香があります。
造船業の衰退を逆手に取って始まったのが、「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(KCV)構想」。空き家や工場跡を創造の場として提供し、エリア全体を唯一無二の魅力あるまちにしようというものです。2009年に始まったこの試みも、今では約50の創造拠点、130名を超える関係者を抱えています。
詳しくはこちら。
▶北加賀屋まちコラム
https://www.a-crafts.co.jp/works/pickup/22306/
まちを歩き始めるなり、さっそく度肝を抜かれました。
空き地に突如現れたのは、グランフロント大阪にもいるあの子。REMAさんの《異物:砂の女》です。
こんな調子で、町中にアート作品が散りばめられています。
こちらの倉庫《MASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)》もアート作品専用の収蔵庫となっており、年に数回開放されて美術館の様相を呈するそうです。今回は特別に入れていただきました。
名村造船所跡地の旧製図室。
床面には、造船所時は製図室として使用されていたことを伝える図面の跡が。
この近くでアイドルが野外ライブをしていました。控え室のレンタル利用ができるみたいです。
静かで穏やかな雰囲気の流れる北加賀屋ですが、海近くは大きな音で賑わっています。
造船所の跡地だけあって海辺の構造物は規模が大きく、インダストリアルでおおらかな空気が潮風に乗ってまちへ流れこんでいます。
次に訪れたのは、「千鳥文化」。
文化住宅から生まれ変わった、カフェ、ギャラリー、バーなどが入居する文化複合施設です。
文化住宅とは、近畿地方で高度経済成長期に多く建てられた木造2階建ての風呂なしアパートのこと。
ある参加者の方のパートナーさんが、実際に結婚前は文化住宅に住んでいらっしゃったとお聞きし、20代の筆者は千鳥文化の歴史を急に身近に感じたのでした……。

千鳥文化食堂のメニューは、アイスチャイなど心躍るラインナップです。
利用者がお互いに情報を交換しながら農園づくりを行なっている「みんなのうえん北加賀屋」。
ここでイベントを行うこともあるそうで、10以上の飲食店が集うマルシェのビラが貼ってあるのを見つけました。その名の通りの「草の根」なイベントです。
こんな物件あるんです
せっかく大阪R不動産がガイドをするということで、普段はなかなか見れない住居も特別に見学。
NAGAYArtという、長屋の2階部分がリノベーションされている住居を見学しました。
1Fは店舗。ツアー参加者の皆さんが休憩したサンドウィッチ屋さんの他にも、チャイの専門店があり、そのうえ本屋さんが入居予定なんだとか。至高のテナント揃いですね……。私も店舗の上に住んでみたい!!
▶︎現在募集中の部屋はこちら
向かいにあるAPartMENTは、旧鉄工所社宅をリノベーションした集合住宅。
社宅としての役目を終え、アート・クリエイティブを切り口によみがえったアートを内包する集合住宅です。”建築”の枠を超えて集まった、アーティストやクリエイターによるリノベーション住戸を一部見学しました。壁紙がやすりになっている部屋に、居住空間における普段の何気ない時間が記録される部屋など(!)など……。世界にひとつしかないであろう前衛的な部屋たちに、皆さん興味津々でした。
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次のツアーはあのまちです
皆さんにまち歩きを存分に楽しんでいただいた今回のまいまいツアー。
私は一度北加賀屋に来たことがあったのですが、どこを見れば良いのかいまいち分からず……特に何もできずに帰ったので、今回のツアーを通してガイドのいるまち歩きの素晴らしさに目覚めてしまいました。
参加者には「また今度友人と来るきっかけになった」という方も多くいらっしゃいました!
さて、今回のツアーに参加できなかった皆さんに朗報です。大阪R不動産ガイドのまいまいツアー第2弾 なんば編を開催します!
リノベーションオブザイヤー総合グランプリなどの受賞歴がある新桜川ビルをはじめ、なんば周辺の個性的なリノベーション物件を回ります。
▶︎ツアーの詳細はこちら
秋にもツアーの開催を予定していますので、ご興味がある方はぜひ!
文:山﨑 博子 (大阪R不動産)