いざ、物件購入とリノベーションがしたい!いろんなイメージを集めたり、物件を見に行ってみるのもいいけれど、予算を決めて資金計画を立てるのもとても大切。なんとなくこのくらい、で決めたりしていませんか?住宅ローンって使えるの?いくらくらいを心算しておくのが適切?など、物件購入×リノベーションの予算の決め方についてまとめました。
物件購入×リノベーションの住宅ローン
リノベーションが一般的に広まる前は、リノベーションの工事費を物件価格に上乗せするのは難しい場合が多く、住宅ローンとは別にリフォームローンを組む必要がありました。しかし、リフォームローンは住宅ローンに比べて期間が短く、金利も高め。月々の支払いの負担が大きくなってしまっていました。
現在では、リノベーションの工事費用も物件購入に合わせて住宅ローンで組めることがほとんど。工事費も住宅ローンと同じ長い期間で比較的低い金利で借入ができます。ただし、物件の築年数が比較的経っている場合など、不動産の担保評価が低く借入が難しい場合や、銀行によっては工事費は物件価格の何割までなど規定がある場合があります。
物件を購入する際に、リノベーション費用も合わせて審査に通す必要があるので、あらかじめどの会社でどのくらいの金額のリノベーションをするかは決めておいた方が、いざ気に入った物件が出てきた時に適切な見積もりで予算を組めるので安心です。
予算の総額を決める
いくら借りられる?
まず確認するのは、年収から計算する、借入可能額。返済比率(年収に占めるローンの年間返済額の割合)が銀行によって決められていて、30〜35%くらいに設定されていることが一般的です。オートローンやカードローンなど、住宅ローン以外の借り入れが既にある場合は、その返済も返済額の中に含まれます。各銀行のWEBサイトに住宅ローンシミュレーションができるので、一度試算してみてください。このくらいの金額、という目安が目に見えてくるかと思います!
住宅ローンの借入可能額と、住宅資金に当てる予定の自己資金(頭金)を合算した金額が最大の予算となります。
いくら払える?
借入可能額でわかるのはあくまでも、最大予算。そこまでの金額をかけていいのかはまた別の話です。どちらかというと、この、最大予算よりも、いくら払えるか?/いくら払いたいか?の方が重要です。
例えば、一般的な条件(金利0.675%、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス払いなし)で住宅ローンで100万円借りた場合、月々の返済の目安は2,673円/月です。なので、3000万円借りたとすると、月々の支払いは30×2,673円=80,190円。
マンションの場合はそれに、管理費と修繕積立金、車を持っていれば駐車場代がプラスされます。
試算した金額を今の家賃と比較してみるのが一番わかりやすい方法。今と同じくらいに抑えたいのか、もう少し頑張れそうか、いやいやもっと抑えたいのか・・もちろん、家族が何人いるか、パートナーが仕事をしているかどうかも大きく関わってきますし、住宅費に支出の中のどのくらいの割合を割くか、もその方の考えによって様々です。
諸費用の心づもりも忘れずに!
物件購入をする場合は、仲介手数料、登記費用、住宅ローンの事務手数料、契約書の印紙代など、多くの諸費用が必要です。諸費用の目安は、物件売買代金の10%を心づもりしておきましょう。また、新居のための家具やエアコン、引越し代なども必要になります。また、リノベーションはどうしても、解体してから補修が必要な箇所などが見つかって追加の費用が必要になってしまうことがあります。余裕を持った資金計画にしておきましょう。
予算の割り振りを想定する
予算の総額がある程度イメージできたら、次は物件購入とリノベーション費用の割合をある程度決めておきましょう。
同じ4000万円の予算でも、2500万円の物件を買って、1500万円のリノベーションをするのと、3500万円の物件を買って500万円のリノベーションをするのでは方針が変わってきます。まずは広さ、リノベーションの希望内容、物件種別などから、リノベーションの費用を想定する必要があるので、どのくらいの費用で希望の内容が実現できそうか、確認して工事を依頼する会社を決めておきましょう。
イメージ通りのリノベーションをすることを優先するのであれば、物件の予算は抑えめに。物件探しの条件も少し緩やかにした方がいいでしょう、逆に、物件の新しさや立地を優先するならリノベーションの内容は抑えめに想定しておきましょう。
とは言っても、最終的には物件がないとリノベーションは実現できません。割合はあくまでも目安で、臨機応変に変える想定をしておいた方が良い選択肢に巡り合えるかもしれません。
事前にご相談ください。
インターネットで調べるといろんな情報が出てきますが、それぞれの方の事情やどんな物件を選ぶか、どんなリノベーションがしたいかによって予算計画は大きく変わります。自営業・フリーランスの方、年度によって年収のブレがある方、会社経営者(家族経営の会社に勤める人含む)、最近転職をした方、45歳以上の方、他に借り入れがある方などは特に、住宅ローンの審査の基準がまた変わってくる場合があります。予算を決めるところからまずはご相談いただくのが一番です。
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生きている上でかかるのは住宅費だけではありません。美味しいものも食べたいし旅行にも行きたい。人によって支払える金額は違うのは当然です。支払いをどのくらいに設定するのがご自身の暮らしに合うか、その予算計画ならどんな物件があってどんなリノベーションができるか。一緒に考えながら、物件探しとリノベーションのお手伝いをさせていただいています。
まずは、お気軽にご相談ください。
大阪R不動産では、リノベーションの素材となる物件紹介もしています。
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文:松下文子 Arts &Crafts 取締役副社長