白く雁行した建物が立ち並び、ビビッドな黄色い手すりがついたかまぼこ状の空中廊下が部屋同士をつなぐ特徴的な外観。建築家遠藤剛生氏が設計した数多くの共同住宅の中でも代表的なマンションで、広場があったり、小さなプールがあったり、小さな街のようで敷地内を歩くだけでもワクワクします。
「この建物が素敵!」と、その一室を購入してリノベーションに踏み切ったKさんご家族。特徴的なのは共用部だけではありません。室内の間取りも、三方向に窓があってカクカクとユニークな形。リクエストは、「ライフスタイルに都度合わせられる、柔軟で自由度の高い間取り」。82平方メートルをのびのびと使った回遊間取り、内装は共用部のデザインを踏襲しながら設計を進めました。家族それぞれ、自分の好きを自由に集めて創作して、これからも変化し続ける住まい、まるで家全体がアートのようです!

建築好きな人なら、一度は見たことがあるかも?リノベーションの素材として長年人気のあるマンション。「マンション自体が可愛くて迷路みたいなので子どもたちと楽しく探検できます!(Kさん)」

パーケットフローリングとコルクタイル、Pタイル、正方形の磁器タイルなど、グリッドデザインをベースに、アーチとカラーを乗せていくイメージで空間を構成していきました。

部屋全体を見渡せるキッチンにしたいと、キッチンは移動して対面に。ホワイトタイルの目地の色はワインレッド!キッチンの後ろの窓から柔らかい光が入る。

イメージはプロが使う業務用キッチン。スチールの脚にステンレスの天板を載せて使い勝手は抜群!

タイルの足元は木巾木が少し奥に入り込んだようなデザインに。コルクタイルは、床は以前雑誌で見かけていいなと思っていたもの。途中色々悩んだが、最終的には原点回帰で採用が決定。

LDKの奥には、約8.8畳のセカンドリビング。将来的には壁を立てて子供部屋を作る予定だが、今はのびのびと広く。

シンプルで美しい市松貼りのミニパーケット。無垢のオークの風合いを活かすオイル仕上げ。

LDKと寝室の間の廊下。廊下→ストレージ→セカンドリビング→LDKと、廊下→書斎→書庫→寝室。ここを起点に2つの回遊動線で室内が繋がっている。

洋服と本を沢山お持ちのKさん。大容量のストレージ収納は必須の条件だった。「衣類などの収納スペースが快適になった分、掃除も行き届きやすくなり、気づけば心にも余裕ができました(Kさん)」

「家族四人で余裕のある寝室が気に入っています。今は毎日絵本を読んで寝ていますが、本棚スペースにも直結しているので子供がもう少し大きくなったらそれぞれ好きな本を選んで読みながら寝る、みたいなふうになると良いなと思っています。(Kさん)」

寝室の隣にはこれまたたくさんの本を収納する書庫。寝室からも、夫の作業部屋からもアクセスできる。

アートディレクターの仕事をしながら、自身も絵を描くなど作品づくりにも取り組む夫の作業部屋。

三角の出窓もこの時代の建物ならでは。小さなスペースですがここも大活躍!

玄関は少し広げて、帰ったらすぐに手を洗えるように洗面台を配置。

タイルは淡いオレンジに、目地はビスケットカラー。有孔ボードは実用とアートワークに大活躍!

脱衣室~トイレのポイントカラーはローズピンク。トイレのクロスに合わせてドア・枠を調色塗装。

玄関にもたっぷりの靴収納。「可愛い家になったので、家に帰るのが楽しみになりました。(Kさん)」


入居者の声

とにかく住み心地が最高です♪いい物件が見つかった時はかなりテンションが上がりました。そこからの間取りを決めていって素材選びやいろいろな器具を選ぶのも楽しかったです。大変だったのは、これまでにしたことのない大きな買い物なので契約やお金関係のことですね…アートアンドクラフトの担当者は、言葉が伝わりやすいというか、距離感が近い気がしました。ライフスタイルまでも細かく配慮してくださり、我々の「これがいい、これが好き」に妥協なく寄り添ってくださりました。子どもがすごいスピードで大きくなっていくので、数年後の暮らしも想像できませんが、暮らし方や部屋の使い方も柔軟に変化させながら住んでいければと思っています。子どもたちの落書きや傷や染みや汚れまでもすべて愛しく感じられるような形も残したいと思います。(Kさん)
OUTLINE
物件名/K邸
所在地/吹田市
構 造/SRC造
築年月/1981年
竣工月/2024年2月
施工面積/82.24㎡
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写真:平野愛
担当者より
T字の間取りを初めて見た時「これはクセが強そうだ!」と驚きとワクワクしたことを今も覚えています。床のコルクタイルとオークのパーケットをベースにタイル、目地やクロス等はやわらかい配色ながら個性の光るKさんらしいセレクト。現地で色味をひとつひとつ丁寧に確認し選んでいる姿は印象に残っており、色決めが私も1番楽しい時間でした。玄関を入ってすぐの洗面台とキッチンのタイルの立ち上がり部分の収まりは特にこだわり、職人と「どうすれば綺麗に見えるか」と、たくさん現場で話し合いました。ただいまと帰ってきたら嬉しくなるような玄関、子供たちと過ごす窓辺の小上がりスペース、ベッドルームと書斎からアクセスできる旦那さんの本や子供たちの絵本も置けるみんなのライブラリー。どこをとっても家族みんなが楽しくワクワクするような住まいをKさんと一緒に作り上げることができたなぁと、写真を見て改めて嬉しくなりました。(川井)
STAFF
アーキテクト:川井茜理
コンサルタント:中村美保
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