アートアンドクラフトがこれまでにいただいたリノベーション等に関する賞の主な受賞歴をご紹介します。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の『第41回住まいのリフォームコンクール』にて、マンションの一室をスケルトン状態まで解体した状態で販売し、その後施主の要望を反映し、リノベーション工事ををすることを試みた『スケルトン再販のすゝめ』が住宅リフォーム部門優秀賞を受賞しました。
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講評:マンションの中古市場で主流となった回収済みの再販物件は、買い手の顔が見えない無難なプランや仕様になりがちである、その現状に対して、スケルトン状態での販売からスタートしたリフォーム作品である。住まい手の思いどおりの自由な設計が可能となった。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の『第41回住まいのリフォームコンクール』にて、ルーフバルコニーのあるマンションの一室を、その特徴を最大限に活かしてリノベーションした再販事例『ストックを徹底的に読み解く』が住宅リフォーム部門優秀賞を受賞しました。
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講評:キッチンを中央に移動することで広いルーフバルコニー側を全面的に開放。伸びやかな空間にしつらえた思い切りの良さが成功している。各室との繋げ方や材料の使い分けは空間の特性を読み解いた技を感じる。各所に設けられた居場所も楽しい仕掛けである。
リノベーション推進協議会主催の『Renovation of the year 2022』にて、沖縄の外人住宅を再生した『Mid-Century House|消えゆく沖縄外人住宅の再生』がローカルレガシー・リノベーション賞を受賞しました。
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講評:沖縄の外人住宅は、在日米軍のために基地周辺に建設された住宅で、東京にも福生などに米軍ハウスと呼ばれる同様の住宅がある。アメリカンスタイルの住宅で、特別な存在感があり、1970年代に民間に開放されると、ミュージシャンやアーティストが移り住み、独特のカルチャーを生み出した歴史がある。老朽化して建て替えが進む中にあって、リノベーションしてカフェやショップとして再生する流れがあるが、本件はその代表的な事例だ。今回、外人住宅を文化遺産として継承していく試みが評価された。さらに、リノベーションでは、住む人の世界観をどこまで表現できるかが大きなポイントになるが、その点でも、パームツリーを植え、ミッドセンチュリー家具を各部屋に配し、スタイリッシュな空間づくりに成功している。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の『第39回住まいのリフォームコンクール』にて、都市型の3階建狭小住宅をワークスペースのある住まいへとリノベーションした再販事例『都市型戸建のこれからを考える』が住宅リフォーム部門優秀賞を受賞しました。
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講評:間口3m、奥行10mの屋上付3階建て住宅の古リノベーション。職・住・余暇をも考えてフロアごとに切り替え、狭い空間でも最大限の広さを追求しスタイリッシュに仕上げている。今後も広がるであろう都市型在宅ワークの方への需要が期待できる。
リノベーション協議会主催の『Renovation of the year 2021』にて、都市型の3階建狭小住宅をワークスペースのある住まいへとリノベーションした再販事例『都市型戸建を再構築する』が1000万円以上部門最優秀賞を受賞しました。
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講評:都市の中の古い住宅を、安心して住まえる性能を付与しつつ再構成する、という今後大いに必要とされるケースの代表例。これまでの間取りから自由になることで、より自由な住まいかたが可能となっているのにも注目したい事例です。
リノベーション推進協議会主催の『Renovation of the year 2020』にて、大阪市内に点在する都住創の一室をリノベーションした『心を掴むストック 都住創を継ぐ』がエスセティックリノベーション賞を受賞しました。
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講評(抜粋):コーポラティブハウスのような〝トンがった〟物件ほど再販などにおいては流通させづらいという話を耳にするが、同時にネット、SNSの社会では同じ嗜好をもったファンやマニアにリーチできる可能性も高まっている。既存のもつポテンシャルを引き出し、現代のデザインにアップデートさせたこの作品は、埋もれがちな建築ストック活用の新しい方向性を示してくれている。
リノベーション協議会主催の『Renovation of the year 2018』にて、リノベーション事業開始20年を記念して実施した展覧会『RENOVATION1998-2018 リノベーションの20年とこれからの都市とか建築とか』がリノベーション文化功労賞を受賞しました。
1959年に併存住宅として建てられた、扇型が特徴的なビルを再生した『新桜川ビル』が、第32回大阪市ハウジングデザイン賞の特別賞を受賞しました。
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講評(抜粋):今回のリノベーションでは、建物の寿命を延ばす躯体のメンテナンスとインフラの更新、記憶を伝えるオリジナルの意匠と材料の継承、室内をスケルトン化して再構成する引き算型の改修が、建物の魅力を最大限に引き出しているといえよう。リノベーションの成功は、この建物のユニークで魅力的な形状と交通至便な立地、戦後住宅政策の遺産という歴史によるところが大きいものの、その手法は他のストック住宅においても有効である。都市大阪ならではの住宅再生モデルとして特別賞に相応しいとの評価を得た。
リノベーション協議会主催の『Renovation of the year 2017』にて、1959年に併存住宅として建てられた、扇型が特徴的なビルを再生した『新桜川ビル|扇状のモダニズム建築、桜川のランドマークへ』が総合グランプリを受賞しました。
講評(抜粋):「新桜川ビル」は、長く地域のランドマーク的な建築物であった。しかし現代では、まちの風景の一部として愛着を持たれたビルであろうとも、容積率さえ許せば躊躇なく取り壊されていく。そのような新築至上主義的な市場原理に対する違和感や異議申し立て、あるいは反骨心といった感情が、単にかっこいいとか新築より安価ということ以上に、私たちがリノベーションを応援したくなる気持ちの根幹にはある。私たちはなぜリノベーションを支持するのか、なぜリノベーションを広めたいのか。私たちのリノベーションに対するリスペクトの原点を思い出させてくれる力がこの作品にはあった。(中略)しかし、地域がこの風景を守るためには、やはり成熟したリノベーションスキルが必要だ。常に建て替えの理由になる老朽化した設備系の刷新に頭を悩ませた技術力。過剰にならないよう慎重に抑制されたデザイン力。ビルのコンテンツとなる個性的なテナントを選んだマーケティング力。そしてそれらをリーシングした不動産力。「新桜川ビル」は、幅広い技術と蓄積された経験が総動員されてようやく成立する難易度の高いプロジェクトである。
リノベーション協議会主催の『Renovation of the year 2016』にて、沖縄統治時代に建てられたモーテルを宿泊施設へとリノベーションした『開放感あふれるデザインモーテル SPICE MOTEL OKINAWA』がインバウンド賞を受賞しました。
講評(抜粋):アートアンドクラフトによる「SPICE MOTEL OKINAWA」は、モーテルの再生。他にも、受賞は無かったが、空家をインバウンド向けの民泊施設にリノベーションした作品もあった。空家、空き店舗や施設は今や地方だけの問題ではなくなってきている。(中略)「SPICE MOTEL OKINAWA」では、何を引き継ぎ、何を残すかのジャッジに、他のものづくりとは違った〝目利き〟のセンスがいかに重要であるかを改めて感じた。
元鉄工所社宅であった建物をアート・クリエイティブを切り口に新たな賃貸住宅として再生した『APartMENT』が、第30回大阪市ハウジングデザイン賞の特別賞を受賞しました。
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講評(抜粋):新たな住人を迎え、門柱に残された「北川鉄工所社宅」の文字が、誇らしげに輝いていた。本プロジェクトの狙いは、アートとリノベーションの融合、住人の創造性の誘発にある。実験的な試みではあるが、空間のオルタナティブを提示した意義は大きい。また、まちづくりの文脈において計画が練られたことも評価できる。集合住宅として今後の成熟と展開を期待し、特別賞に選定した。
リノベーション協議会主催の『Renovation of the year 2015』にて、リノベーションからリーシングまで行った『守口の長屋』が800万円未満部門最優秀作品賞を受賞しました。
講評(抜粋):アートアンドクラフトの「守口の長屋」は、既存の長屋の「雰囲気を極力壊さない」ことをテーマにしたリノベーション。劇的な変化を期待するリノベと対峙するような、新しいつくり手の立ち位置を感じた。
2014年に経済産業省が選定した、独自のビジネスモデルを持つリフォーム事業者を表彰する「先進的なリフォーム事業者表彰」の表彰者21社のうちの1社に選ばれ、表彰されました。
事務所ビルを賃貸住宅にコンバージョンした『鎗屋アパートメントプロジェクト』が、第20回大阪市ハウジングデザイン賞の特別賞を受賞しました。
講評(抜粋):実施に当たっては、構造の補強や設備の改修などの技術的な改善を行うとともに、新たな魅力を加える工夫がなされ、現代の都市居住者の新たなライフスタイルやワークスタイルを志向する比較的若い年齢層に多様な居住の場を提供している。この住宅が、建築ストックの住宅への再生という分野において、先導的に実現された賃貸共同住宅であり、特別賞にふさわしいものとして評価された。