Kさんの祖父母が長年暮らした住まい。母が相続し、かつては売却も視野に入れていましたが、此花区という立地の可能性に着目して、特区民泊施設としての活用を考えアートアンドクラフトに相談にこられました。
計画にあたり大切にしたのは、昔ながらの日本の住まいの懐かしさがありながら今を感じられること、そして祖父母の住まいの面影を残すことでした。ターゲットは、「USJ観光のグループ、ファミリー層」「増加するインバウンド旅行客」そして、「京セラドームに来るイベント目的旅行者」に設定。コンセプトの立案から設計までほぼお任せいただき、家具や備品の準備など、民泊のスタートアップまでサポートしました。新しい役割を得て、Kさんにとっては祖父母の記憶をつなぐ場に、そして訪れる人々にとっては昔懐かしい日本の暮らしが体験できる宿泊施設となりました。

玄関扉を開けると、既存のピーリング壁が応接室のような落ち着いた雰囲気のエントランスロビーが、訪れる人を出迎える。

キッチン・ダイニングはレトロな雰囲気に合わせた淡い緑で塗装。

二間続きの和室は広く、ゴロンと寝転がると気持ちがよさそう。

懐かしい照明やガラス、仕上げなどできるだけそのまま利用。

Kさんの希望で木々や石灯籠をそのまま残した坪庭。四季の移ろいを感じられる。

広い縁側を活用して、洗面台を計画。宿泊人数が多くても問題なし!ソファからは裏庭を眺められる。

洗面ボウルは継ぎ目のない一体型のカウンターで、シンプルなデザインのものを採用した。

浴室は既存を利用し、特殊な塗料で塗装した。既存の浴槽、床タイル、ニッチ収納の緑色がアクセントに。

長期宿泊をする旅行客のため、キッチン用品は一式揃えられている。

和室の聚楽壁は、Kさんの祖父が自ら手がけたもの。手を加えずに残すことに。

インバウンド旅行客に日本の要素を感じてもらえるよう建具には富士山の襖紙を貼った。

2階は極力触らず、和室はそのまま宿泊室として利用。

2階洋室も既存のピーリング壁と収納はそのまま残した。床面はフローリングの上に畳風のビニルタイルを施工。

外観の懐かしい佇まいはそのままに。


担当者より
住むには少々古臭いイメージを持たれ、あまり魅力的に思われない築年不詳の木造長屋住宅ですが、それぞれ個性や特徴を持っています。今回は宿泊施設ということで、この建物の個性や特徴をどこか懐かしいけどホテルのような非日常感を併せ持った魅力に変換させるような設計を目指しました。広い縁側をセカンドリビングのような洗面空間に、玄関すぐの応接室空間をエントランスロビーに、新旧が混じり合う空間である中で古いものも残して新しいものと馴染ませたり対比させることで古い装飾や設備などがレトロな魅力的に見えるように、和の要素も無理に消さずに逆に強調させることで、インバウンド旅行客はもちろん日本人旅行者にも新鮮に感じてもらえるような工夫を随所に施しています。(塩谷)
OUTLINE
STAFF
コンサルタント/田端亮介
企画・設計/塩谷昌洋
現場監理/椋本智恵
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