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街に現る新たなコンテンツ。ビルを使った特区民泊|ZENIYA INN uehommachi

4年前、自社ビルであった本館を複合施設としてリノベーションしたビルオーナー。自社で運営を始められたカフェやギャラリー、日替わりで料理やヨガなど様々な講師が教えるサロンも大盛況です。本館のリノベーションの際から“街に開かれた場所をつくる”ということを大切にしていたオーナーは、地域のコミュニティだけでなく海外の人達とも繋がろうと考え、新たなコンテンツとして宿泊業にチャレンジすることに。まだ全国的には珍しい「特区民泊」として使用するため、7階建てのオフィスビルのうち2区画を4室の長屋へコンバージョンしました。

長年空室が続いていた賃貸オフィスフロア。

区画割りとアプローチを変更し長屋へコンバージョン。既存テナントとの動線を分離を図りました。

Before外観

前面道路から各室へ直接アクセスできるよう外壁の一部を解体し開口を設け、外部階段を新たに設置。

住宅としての採光を確保するため道路側は全面開口部に。

寝室は障子で仕切ることでプライバシーも確保。

ファブリックや特殊合板など様々なクリエイター・アーティストが参画しています。

室内にはキッチン、トイレ、浴室を新たに設え、将来的に賃貸住宅として運用することも可能な形に。

102号室にはドライエリアを利用した露天風呂を計画。宿泊施設としてのアピールポイントに。

各室の表札も全てオリジナルでデザインしています。

担当者より

長期間空室状態が続いていた事務所フロアを面白く使えないかと思案していたオーナー。元々この街が持っている交通ハブ機能を生かし、近年のインバウンド需要の高まりに乗って人を呼び込もう!という目的で始まったプロジェクトです。チェックインは徒歩数分の本館カフェにて行われる予定。ゲストが宿に泊まるだけでなく街を歩くきっかけになり、益々このエリアの価値が上がる予感がします。

特区民泊として運用できる建物は居宅・長屋・共同住 宅のいずれかですが、既存テナントとの動線の分離も考慮し長屋として設計。将来的に賃貸住宅として運用することも可能です。一棟丸々宿泊施設として改修するのではなく余剰床を上手く活用しながら、投資的にもリスクが少ない形で実現できました。

OUTLINE

施設名/ZENIYA INN uehommachi

所在地/大阪市天王寺区

構造/鉄骨造一部鉄筋コンクリート造地下1階地上7階建

施工面積/169.5㎡

築年/1989年

リノベーション/2019年

従前用途/賃貸オフィス

改装後用途/長屋

工事費(企画設計監理費を含む)/ :5,800万円(税込)

写真:増田好郎

STAFF

コンサルティング・設計監理:枇杷 健一

運営一部受託:田端 亮介

特殊合板壁:安多化粧合板株式会社

意匠照明器具:ケーイーアイデザイン

照明器具:NEW LIGHT POTTELY

家具/kumu【組】:上手工作所×安多化粧合板

植栽(102坪庭):GREEN SPACE

壁画(102坪庭):権田直博

テキスタイル:島 あゆみ

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