“大阪市子育て世帯等向け民間賃貸住宅改修促進事業”を活用し、改修費用の一部に補助金を利用して、1986年築の鉄骨造の賃貸マンションのうち、空室となっていた1階と3階の2つの住戸をリノベーション。
コロナ禍・在宅ワークに加え、SNSや配信サービス、フードデリバリーの充実をきっかけに、家で過ごす時間が増えた昨今。誰かと一緒に暮らすことになってもひとりの時間を確保したい、そんな個室マストなインドア派の2人暮らし向けの賃貸物件を計画した。
築35年の賃貸マンション。エレベーター・オートロックは無し。
Before
駅近で今里筋沿い、住環境が整っていることから、比較的築年数の浅いマンションが増えていた物件の周辺。本物件は築年数の古さに加え、エレベーター・オートロック無しという建物設備の遅れも相まって、現代の需要から外れ、今後もますます競争が厳しくなることが予想されました。周辺では1人暮らし向け賃貸の割合が多いこと、また東成区には20代の転入者が多いことから”20代の2人暮らし”に向けた賃貸商品を企画しました。
考え方は「アップデートされた2DK」。元々「6畳・6畳+DK」のよくある構成の2DKだった間取りを「3畳・3畳+LDK」とすることで、約45平米の限られた面積の中でも、明るくゆったりした広さのLDKと小さくても独立した個室を確保しました。
3F
壁をくり抜いたかのように個室が2室
元々小上がりだったところは敢えてそのまま活かした。
個室は"sugomori"と命名。必要十分な天井高と広さとすることでこもり感を演出。
DK・洋室と区切られていた間取りを一体にしてバルコニーまで続く、明るくて広いLDKにした
中間色を基調としたプレーンな内装の中に青色をポイントとした
賃貸でありがちなシステム洗面台ではなく、実験用シンクにすることで住設備も差別化
建築時から使用していたユニットバスは交換した
補助金の対象となる節水型トイレ
1F
基本的な空間構成は3階と同じまま、既存に併せて間取りや建材の切り替えに変化をつけた
玄関から直線上にキッチン・水回りが並ぶ間取り
壁面をスッキリと見せる為、引き戸ではなく開き戸とした。
収納が少ない分、壁の有孔ボードを活用して棚やフックを設置できるようにしている。
専用庭はウッドデッキを施工することで付加価値をつけ、賃料UPを狙った
(1F)玄関側にDK・バルコニー側に6畳の個室が2室
(1F)広めのLDKと小さい個室が2室
(3F)LDKはPタイル、小上がりになった個室はフローリングとした
大阪市の民間賃貸オーナー向け補助金を活用
子育て世帯や新婚世帯の入居に対する改修工事費の一部を補助する「大阪市子育て世帯等向け民間賃貸住宅改修促進事業」を活用し、1戸あたり75万円、2戸計150万円の改修工事費補助を受けています。
OUTLINE
所在地 / 大阪市東成区大今里西
構造 / 鉄骨造4階建て
築年 / 1986年
リノベーション / 2023年
対象面積 / 1F:46.6平米 3F:44.4平米
*大阪R不動産で入居者募集をしました。
*大阪市子育て世帯等向け民間賃貸住宅改修促進事業を活用しました。
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写真:増田 好郎
STAFF
コンサルティング / 山田輝
設計監理 / 西面莉沙
リーシング / 山田輝
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