20代でひとり暮らしを実現したKさんの住まい。室内で目を引くコーヒーカップの形の洗面ボウルは、友人から「コーヒー好きやろ」と教えてもらったもの。全体に漂う昔の喫茶店みたいな雰囲気は、狙ったものではなく設計者と相談しながら好きなものを集めていったから、だそう。アイデアを楽しんで取り入れながら好きなものを軽やかに選んで実現した、Kさんらしい住まいです。
ほぼワンルームにリビングとキッチンと小さなダイニングに、ワークスペース。ひとり暮らしならではの、のびのびとした空間の使い方。ソファの正面にはプロジェクターで画面を映し出せるように余白を残した。冬場はこたつを置くそう。
コーヒーカップ型の洗面台。「せっかくだから洗面所の外に出していつも目に入るように。朝目覚めるとそこにいて、コーヒーを飲んでいても目に入る。我ながら可愛くできたと思います。(Kさん)」
洗面台から続くキッチンカウンター。コーヒー好きなKさんのために純喫茶をイメージして、素材と柄がレトロな寄せ木細工のパーケットフローリングをカウンターに使ってみてはと提案し、採用。
現場造作で作ったキッチンには、レトロなブラウンなタイル。
カウンターはそのままテーブルになっていて、ちょっとした事務作業などはここで。洗面カウンターとの間のパーテーションは、琥珀色のデザインガラスを採用して隅々まで純喫茶感を漂わせています。
趣味でイラストを描いているKさん。明るい窓際には机を置いてワークスペースに。背の高い本が多くて、汎用品のカラーボックスでは入らないんです、と聞いてデスクに合わせて、本棚を造作。
1階で庭がついている部屋。庭につながる窓際にモルタル仕上げのグリーンスペース。カーテンではなくロールスクリーンを取り付けて、上部のハンガーバーには好きな植物などをぶら下げている。
玄関横には大きなストレージ。担当者と一緒に行ったアンティークショップで見つけたヴィンテージのドアノブがあまりに可愛かったので、フックの代わりに並べて設置。
土間を横に細く伸ばして広がりのある玄関に。
脱衣所と浴室。透明ガラスの浴室のドア。
ハーフユニットの浴室。上部は磁気タイルで仕上げた。浴室に持ち込んだ着替えが濡れないようにとハーフユニットバスの形状に合わせて脱着可能な棚も造作した。
単身住まいのオトナが満足できる”ひとり住まい”の住宅が少なすぎると思いませんか?ひとり暮らしだからこそ、何の妥協も譲り合いもせず、自分の思うような部屋づくりを思い切り楽しんでほしい!そんな想いでアートアンドクラフトでは”オトナのひとり住まい”を作り続けています。
入居者の声
リノベーション前は職人さん達に申し訳ないほどの廃墟感溢れる部屋でしたが、置きたい木製の家具に合わせてイメージを膨らませていくうちにカフェ風に。何より、素材を3人で決めていく過程が楽しかったです。好みのイメージを伝えるとたくさんアイデアを出してくれたから、期待以上の部屋が出来上がりました。
バスタブに浸かる習慣が無いことを伝えて提案してもらったこの形は、掃除がすごく楽で最高。気に入っています。友人に集まってもらえる大きなワンルームの白い壁には100インチ超のプロジェクターを映して、ゲームをしたり映画を観たり…お家にいるのが楽しいです。
あと、住宅ローン控除を使える広さにしてよかったなぁとしみじみ実感しています。
OUTLINE
物件名/K邸
所在地/大阪市淀川区
構 造/RC造
築年月/1984年
竣工月/2018年1月
施工面積/54.45㎡
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*工事費:非公開
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写真:平野 愛
担当者より
一度買い逃された経験も乗り越えて、手繰り寄せたのはリノベーションして!と言わんばかりの私たちも稀に見る廃墟感満載の物件。これをものともせず購入を決められスタートした打ち合わせは、出会った誰もをお友達にしてしまう人柄のおかげで、女子三人きゃっきゃと盛り上がる女子会さながら。今でも思い出すとにんまりしてしまいます。そのなかで浮かび上がったユーモア溢れるたくさんのアイデアはこの住まいの大きなポイントに。元の廃墟からは想像がつかない空間になりましたね。インテリアが入り、より一層温かさがプラスされた住まいはつい長居してしまうカフェのように包容力のあるKさんそのものを映し出していました。きっとお友達を招いて幾度となくお泊まり会を開催されていらっしゃることでしょう。(森岡)
STAFF
アーキテクト:川本 美佳
コンサルタント:森岡 瑞穂
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