「どうせリノベーションするのだから、ボロボロで安い物件がいいな」
リノベーションを前提に物件を探すとき、そう思いますよね。でもいざ探してみるとなかなかそんな物件が見つからない・・どうして世の中リフォーム済みの物件ばかりなの?こんなふうに聞かれることが多いので、少し考えてみました。
買取再販業者の急増
10年ほど遡って考えてみると、当時もリフォーム済みの中古物件はありましたが、その時はどちらかというと所有者の方が「このままでは売却できない」と考えて、手を加えてから販売することが多かったように思います。故に、それほど傷んでいない物件や、売却の際に費用をかけたくない、という売主はそのままの状態で不動産を売り出すことも多く、リフォームをされていない状態の物件もよく市場に出回っていました。不動産業者が物件を買ってリフォームしてから再販売する「買取再販」のスキームは当時もありましたが、今ほど多くはありませんでした。
それが、ここ数年の間に買取再販事業を行う事業者が爆発的に増加しています。株式会社矢野経済研究所のレポートによると、2015年には24,300件ほどだった買取再販の物件はどんどん増えて、2025年には約2倍の50,000件に達するだろうと予測が立てられています。(詳細はこちらのレポートより)
状態が悪い不動産や、安くても良いので早く売却したいという不動産は業者が買取し、一般顧客が見る時点では既にリフォームされていることがほとんどという状態になってきました。買取業者に直接声がかからず一度市場に出た物件も、内部の状態を鑑みて割安であればすぐに業者が購入するので、そのスピード感に一般の方がついていくのは至難の業。ふと、ボロボロで安くて掘り出し物という物件に出会う可能性はほとんどなくなってしまったのが現実です。
じゃあ、リノベーションする物件どう探す?
欲しいマンションを狙い撃ちする
物件購入をしたいエリアが決まっていたら、このマンションが出たら買いたい、という物件をピックアップしておきましょう。その上で、近くの不動産業者さんに「この物件がこのくらいの価格で出たら絶対紹介してください」と声をかけておくのがおすすめ。買取業者へ話を持ち込む前に一度声をかけてもらえるかもしれません。
また、ある程度条件を明確にしておいて、条件の合う物件があればすぐに購入に動けるようにあらかじめ担当者とよく話し合っておきましょう。
リノベーション済み再販物件も視野に
できれば自分で好きなようにリノベーションしたいと思っている方も多いですが、デザインも工事も良質なリノベーション物件も増えてきました。絶対工事をしたい、だけではなく、少し視野を広げてリノベーション済み物件も見てみるのもひとつ。そのままでも気にいる物件に出会えるかもしれません。
また、業者が売主の物件の場合、2年間の設備保証がつくほか、住宅ローン減税の期間が延長されるなど、税制優遇が手厚くなる場合もあります。
ただし、表層のデザインだけではなく、見えないところはどこまで工事がされているかもよく確認して理解しておくと後々のトラブルや後悔が回避できます。
▶︎アートアンドクラフトのリノベーション済み再販物件はこちら
数年前にリノベーションした住まいをアレンジするのも面白い
中古物件を購入してリノベーションをする人が増えて、10年以上が経ちました。最近増えているのは、ライフスタイルの変化に伴う、リノベーション物件の売却のご相談。一度リノベーションされた物件を購入して、傷んでいるところを少し修繕したり、間取りや仕上げを自分好みにアレンジして住み継ぐのもひとつ、良い選択肢かと思います。自身でゼロから作ったら思いつかなかったような暮らし方が実現できるかもしれません。
内装材は貼り替え、塗装は塗り直し、無垢フローリングは研磨して再度生まれ変わらせることもできます。どのくらい手を加えるかにもよりますが、物件を買ってゼロからリノベーションするよりは上手く既存を活用すれば全体の予算をグッと抑えることもできます。リノベーション済み物件、リノベーション大阪R不動産に掲載しています。気になるものはお問い合わせください。
絶対にリフォームしていない状態で買いたい!と決めつけてしまっては視野が狭くなってしまっていい出会いを逃してしまっているかも?アートアンドクラフトでは、広い視点で物件探しのサポートをいたします。お気軽にご相談ください。
大阪R不動産では、リノベーションの素材となる物件紹介もしています。
ー==============ー
文:松下文子 Arts &Crafts 取締役副社長