WORKS

民藝コレクション 好きなものに囲まれた暮らし

玄関扉を開けると、家具や陶器、照明、ファブリックと民藝館さながらのコレクションに目を奪われる。「格天井に畳敷きのリビングダイニング」といったリノベーション空間に配されたそれらは、施主のMさんが作家の個展に駆けつけ集めたものをはじめとする、国内外の民藝の品々。空間ごと好きなもので整えて、日々の暮らしの中でより味わい深く育てていく。そんなMさん家族の愛着を隅々まで感じる家。

新たに造作した格天井に和紙畳仕上げのLD。ダイニングには皮と木で作られたメキシコ製のエキパルチェアを。「床はい草の鮮やかさよりも褪せた色合いが希望だったので、色調が豊富な"和紙畳"を選びました。こどもが寝転がったりコケたりしても柔らかく、食べこぼしなどの汚れも思っていたより弾いてくれて、結果的にメンテナンスがしやすく気に入っています」(Mさん)

既存襖には襖紙の張替えでなく"who"の壁紙を採用。英国製のウィンザーチェアが畳にも合う。奥のリビングにも、ラオス製の手織布に韓国製の竹細工など多国籍な民藝の品々。

玄関ホールは既存フローリングに天井と壁のクロス張替え。壁や靴棚上には、柚木沙弥郎さんの雛の型染絵など民藝が並ぶ。

瀬戸焼タイルを施工したキッチンの壁。パイプ吊り棚とフックで小さなキッチンツールもすっきり。

キッチンとは模様違いの瀬戸焼タイルに木天板の造作洗面台。割れてしまった長皿は石鹸トレーとして活躍中。

照明計画は竿縁に沿って黒のダクトレールを。「ダウンライトにメインのシーリング照明とする案もあったけれど、つけたい照明が沢山あって一つに絞れないなと思った」(Mさん)

柔らかな光が入る窓辺。見慣れたカーテンではなく、山内武志さんの型染め布と河原崎貴さんにオーダー製作してもらった鍛鉄の金物が。英国製のサイドボードには小ぶりで多様な形の陶器たち。

複数棟からなるうちの1棟。傾斜地にひな壇状に建つ白亜の外観は圧巻。

入居者の声

「物件とは、知人から面白いマンションがあるよと教えてもらったのが出会いです。傾斜地に建っていて、エレベーターも斜めに設置されていて確かに面白い。特徴ある外観と十分な広さが魅力的でした。物件購入予算からは少しオーバーしていましたが即決でした」(妻)
「結婚してから住んでいた2DKでは広さがなく、好きなものを揃えたくても思うようにできませんでした。実のところまだ途中段階。家具等をイメージに合わせてひとつひとつ選んで整えているところです」(夫)

OUTLINE

案件名:M邸
所在地:吹田市
構 造:RC造
築年月:1985年
竣工月:2016年9月
施工面積:86.85㎡

写真:平野 愛

担当者より

特徴的外観で魅力のあるマンションでしたが、壁式構造であることや、床の防音規定が厳しいことなどの制限が多いストックでした。Mさんは空間のイメージをしっかりとお持ちで、仕上材の選定においても、けやき無垢床材、ナラの無垢材カウンター、リノリウムの床材、瀬戸本業タイルなど素材選びを丁寧に行い空間をつくっていきました。メインの床仕上を畳とすることで、マンション管理規約による床の制限をクリアしつつ、お持ちの民藝コレクションと相性が良い、Mさんらしく特徴的で他にはない魅力のある空間になりました。(塩谷)

STAFF

アーキテクト:塩谷昌洋
コンサルタント:梅山知里

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