大阪市阿倍野区にある築年不詳の2軒長屋。欄間、床の間等に竣工当時の設(しつらえ)が良い状態で残る一方で、玄関やキッチン周りは簡易なリフォームが施され、味わいのある趣を妨げていました。流し台を造作キッチンに入れ替えるなど、リフォーム部分は竣工当時の趣になじむようなデザインに変更。それ以外は既存を積極的に再利用したメリハリのあるリノベーション事例です。
Before|既存の状態。味わいのある当時の設も残る中、ビニールクロスが貼られたり、流し台が置かれたリフォーム部分がせっかくの趣を妨げていた。
既存の外観。窓はアルミサッシに入れ替えがされていた。
工事後の外観。既存の外壁の手前に格子を設置して、アルミサッシなどを程よく隠している。外壁塗装やサッシ交換など大きな費用をかけなくても雰囲気をよくする工夫。
東側住戸|簡易なリフォームがされていた玄関周りは有孔ボードを上貼りし、既存の柱などに近い色で塗装。竣工当時の趣と馴染ませるように工夫している。床も自転車が入れられる広さまで土間スペースを広げた。
玄関とキッチンの間に室内窓を設置して空間のアクセントに。
1階はSOHO利用を想定して畳からフローリングに。デスクやキャスター椅子を使用しても傷が目立たないように、アンティーク加工が施された栗材のフローリングを採用。元は押入れだった階段下は襖を取り払ってプリンターなどがおけるスペースに。聚楽壁は既存をそのまま再利用。一部の壁をカラーの黒板塗料で塗装した。
既存の簡易な流し台を撤去し、造作キッチンへ。
浴室は配管と水栓等を交換し、タイルは既存をそのまま利用。
便器を交換し、内装は既存のままのトイレ。今では珍しくなった凝った貼り方のタイルはユーザーにも人気が高い。
2階は畳の表替えのみ。状態良く残っていた建具や襖、欄間は全て既存再利用。
西側住戸|東側と同様にフローリングを採用。東側とは別のカラーで壁を塗装。
造作キッチンとパーテション。
タイル仕上げのキッチン天板。建物の形に合わせて少し折れ曲がった形状のキッチンも造作だから実現できた。
玄関の奥には2畳の畳スペース。
トイレの中にあった洗面は縁側に位置変更。
ピンクのレトロなタイルがかわいい浴室。
OUTLINE
所在地 / 大阪市阿倍野区
構 造 / 木造2階建
築年月 / 不詳
従前用途 / 住居
改装工事後用途 / SOHO
STAFF
コンサルティング:小野達哉
設計監理:川本美佳
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