「自分の空間を編集するための“道具箱”」をコンセプトに、内装に関わる商品とアイデアを提供するtoolbox(ツールボックス)。一般消費者のみならず、設計者や工務店などプロからの支持も年々広がっています。そんなtoolboxが、東京の目白に続き2店舗目となる大阪ショールームをオープンすることとなり、グループ会社である私たち、アートアンドクラフトにてショールームの施工を担当しました。
ショールームの計画は完成の1年以上前、toolboxのメンバーと大阪R不動産のスタッフとで、どの街がショールームを出すのに適しているかと、自転車で走り回るところからスタート。最終的には縁あって中津のランドマーク、西田ビルへの入居が決まりました。西田ビルのコンセプトは「まちを見てきたビルが今度はまちをつくる」。東京R不動産の系譜を引くtoolboxらしく「街に開く」ショールームを目指して、ショールームの枠組みを超えた新しい取り組みも盛りだくさんの計画となりました。
築58年、個性的なテナントが多く入居する西田ビル。躯体の構造美、水平連窓、釉薬タイルの袖壁など戦後ビルの良いところがギュッと詰まっています。
タイル張りのビルエントランス。ビルとtoolbox商品との相性も抜群!
ショウルームの入り口はネオン管のサイン。奥に見える照明たちにワクワク。床は既存の床材を剥離し、接着剤の跡が残っている状態をそのまま仕上げに。
キッチン、フローリング、建具、照明にパーツなど、約1200点もの商品が展示されているショールーム内。「コロナ禍でオンライン相談やInstagramライブなどを始めてきましたが、もっとリアルの機会を大事にしたいと大阪への出店を決めました」と、toolboxショウルームスタッフの豊田さん。
面取りされた木毛セメント板で仕上げたパーテション。展示用の素材の使い方にも空間づくりのヒントが散りばめられています。
洗面台後ろの壁面は底目地が取られたラワン合板仕上げ。
よく見ると柱に貼られたタイルも色々な形と大きさがミックスされています。
キッチンや洗面台などの商品もズラリ。タイルやフローリングはサンプル請求ができますが、なかなか実物を見て選べない大型の水廻り設備も選びやすくなりそう。
気になったフローリング材や板材の仕上げの色を、オイル塗料やワックスを素材サンプルに実際に塗って試すことが出来る「Mixing Bar」。
新たな試みとして、ショールームの一角に設けられた本の販売コーナー「STANDARD BOOK BOX」。大阪の街で長年本屋をされていた中川和彦さんが選書した書籍が、新刊古書問わず随時80冊ほど販売されている。
「”Edit” room」は等身大の部屋をイメージした空間。床材や壁材のサンプルをおいたり、パーツや照明を合わせて組み合わせを検討することが出来る。
担当者より
さすがものづくり集団!
LGS下地や木下地材を魅せる、屋根材を腰壁に貼る、木毛セメント板はビスを見せずにとめる、初めて扱う建材等どうやってつくる?のやりとり続きでした。
やっと建築工事が落ち着いたーと思ったら、鬼のタイルミックス貼!床に一旦、図面指示通りに順番にタイルを並べて「これはここ!こう!あ、ちゃうわ!」と現場は必死。商品達の仕分け作業にも一苦労。大量に運ばれてくるダンボールから商品と設置場所を一致させるのには頭がこんがらがりました。
完成したときは喜びよりもまず安堵感(笑)。最後まで祭りのような現場でしたが、ものづくりをするもの同士、あーだこーだやり取りをしながら進めていけることは楽しくいい経験でした。無事完成して本当に何より。これからも引き続きよろしくお願いします。(西面)
OUTLINE
所在地 / 大阪市北区
構 造 / RC造7階・地下1階建
築 年 / 1965年
リノベーション / 2023年
―
写真:
Masanori Kaneshita
STAFF
設計監理 / 株式会社 TOOLBOX
施工管理 / 西面莉沙
リノベーション・物件購入の疑問や要望、資金計画など何でもお気軽にご相談ください。
リノベーションの相談をする >施工事例が詰まった事例集や最新のイベント情報を掲載したチラシなど、役立つ資料をお送りいたします。
資料請求をする(無料) >その他の事例