奈良県大和高田市に本社を構える株式会社Real Styleのサテライトオフィス。スポーツ、フィットネス関連の事業を展開しているクライアントはコロナ禍をきっかけにオフィスの人員密度を下げるためにサテライトオフィスを計画していました。本社から徒歩数分に位置する鉄骨造5階建の1階。長らく空室だった物件を借り、リノベーション計画がスタートしました。
改装前
耐火被覆材へアスベストが含有されていないことを調査・確認した上で鉄骨造の構造体を露出させ、塞がれていた窓を復旧しました。床と天井は白く塗装をかけ、床面は全面をモルタルで仕上げとし、白とグレーを基調とした空間にデザインしました。
白とグレーを基調としたシンプルでミニマルなデザイン。主にデザイン業務を行う部署のサテライトオフィス
PCでのデザイン業務に支障がないよう照度設計を行い、執務室と会議室は遠藤照明のソケットレスチューブを採用。レースウェイからワイヤーで吊り下げ、現場からの提案で電気ケーブルもインシュロックも透明のものを用い、浮遊感のある照明計画としました。また、執務室と会議室を仕切るパーテションは方立を細くデザインするため、スチールで製作しています。
執務室
会議室
サテライトオフィス内にスタジオも計画し、ここでは動画の撮影も行われます。前面道路は比較的交通量の多い国道のため、撮影した動画にノイズが入らないよう、一定の遮音性を有する間仕切り壁で計画しています。
クライアントは「奈良の良品を世界の良品に。」というコンセプトのもと「bench」というブランドを立ち上げ、奈良県で製造されているアノニマスな良品をリデザインしたプロダクトも企画販売しています。
スタジオ
通称「便所サンダル」をリデザインした「BENSAN」
担当者より
コロナ禍で私たちの働き方が変わると同時にオフィスの在り方は大きく変わりました。リモートワークを取り入れオフィスを縮小する事業者。家賃の高い都心部から都市周縁部や地方へ移転する事業者。本計画のように本社近くに分散してサテライトをつくる事業者など。また、これまでは専門的な職能や機材、ソフトが必要だった動画の撮影や編集、配信は驚くほど容易になったように、テクノロジーの進化でこれまでは要求諸室として一般的ではなかった室を今回のスタジオのように計画することも多くなりそうです。これまで画一的だったオフィスでしたが、ますます多様化が進み、私たち設計する側も楽しみになってきました。
OUTLINE
クライアント / 株式会社 Real Style
所在地 / 奈良県大和高田市
構 造 / S造地上5階建1階部分
築年 / 1978年
リノベーション / 2021年
改修前用途 / 店舗
改修後用途 / 事務所
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写真:増田 好郎(Before、工事中除く)
STAFF
コンサルティング / 西川純司
設計監理 / 川本美佳
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