沖縄本島に位置する施設内。原状回復を前提とした一般的なオフィス区画を「最新テクノロジーやITを用いて人と人を結び、イノベーションを生み出すリアルな交流の場」へ刷新。間仕切りはつくらず、様々な家具や什器を設置することで空間には緩く繋がりを持たせ、エリアを超えて色々な姿勢や人数での交流を促す設計を目指しました。そのなかに“あえて”取り入れたのは、つくりや仕組みが可視化されたアナログな仕掛け。ここに来るからこそ生まれる交流をデザインに落とし込みました。
改装前の天井は化粧石膏ボード仕上げ。照明やエアコンが埋め込まれていた。
床は面積の約3分の2が配線しやすいOAフロア仕上げ。
エントランスを抜けると円形のレセプションカウンターが出迎える。中央に配置された柱を囲うように制作したカウンターは見る角度によって異なる3つの表情を持つ。天井は仕上げ材を解体し、軽量天井の下地現しに。1.5m以上もある天井懐がオープンになり、開放感が大幅にアップした。
ヘキサエリア。今回オリジナルで制作したへキサゴン型のテーブルが並ぶ。用途や人数に合わせて、大きさや形を自由に組み替え可能。窓際には一人で作業に集中することもできるよう、カウンター席を配置した。
主要打ち合わせエリアの中心には滑車とリールで動かせる照明装置。最新の照明の調色調光機能を採用しつつ、ロープと滑車を用いて手動リールを回すと照明器具が動くアナログな仕組みを取り入れた。
小上がりの畳エリアでは、靴を脱いで座ることで椅子とは異なる視線と姿勢で対話ができる。打ち合わせの合間の小休憩でごろ寝もいかが。
畳部分は可動式。動かせば縁の部分がベンチとしても利用できる。
ソファエリア。
天井には地元のガラス作家「ENTRO glass studio」の照明。他にも民具、陶芸、木工・漆 、アップサイクルをコンセプトに、Banana Concept inc. 施工協力のもと、地元のものづくり作家と協力して製作した照明が各エリアのアクセントになっている。
卓球エリアとキャンプエリア。ミーティングに行き詰まったら、隣のエリアにも声をかけて一緒に卓球で対戦!?身体を動かせば、きっと心も頭もリフレッシュ。
そのまま残した個室スペースはプライベートなミーティングに重宝しそう。
奥まったスペースに配置したチルエリアでは、ほかスペースからの目線を気にせず、ダラダラしたい気分の時に。
小腹が空いたら、軽食エリアへ。雑談から生まれるアイデアもある!
担当者より
最新テクノロジーの進化は物理的な面でも便利で自動化されている傾向ではある一方、物理的な仕組みが見えにくくなっています。遠隔での交流では現実味のない空想になりがちではないか?という問題提起を掲げ、多様な交流を実現しイノベーションを生み出す10のエリアをつくることを提案しました。
実際に「会う」「触れる」など体感することの重要性を見直せる空間、そして、実際の仕組みを体感できる空間デザインを実現することによって、テクノロジーを使ったリアルな交流の場として、この場所で交流する意味を見出したいと考えました。結果、最新テクノロジーとアナログな装置が混在しながらも、お互いに際立たせあった唯一無二の空間になりました。実際これからここで生まれるイノベーションを思うとワクワクします。(塩谷)
OUTLINE
所在地 / 沖縄県N市
構 造 / RC造7階建1階部分
築年 / 2006年
リノベーション / 2023年
改修前用途 / 事務所
改修後用途 / 事務所
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写真:井田 佳明(Before除く)
STAFF
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