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建築好きにおすすめしたい町、富田林
大阪府の南東部・南河内に位置する富田林。大阪市内からは近鉄電車で30分でアクセスできるベットタウンです。あまり馴染みがない方もいるかもしれませんが、実は建築が好きな人必見の街なのです。
大阪唯一の重要伝統的建造物保存地区「寺内町」
富田林市富田林町の一部にあたる「寺内町」は、1997年に重要伝統的建造物保存地区に選定されたそう。この重要伝統的建造物保存地区とは全国各地に残る歴史的な集落・町並みの保存を図るために制定されたもので、関西では京都に多いイメージですが大阪では富田林の寺内町が唯一該当します。
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近鉄「富田林」駅を出るとすぐに「寺内町」の入り口が見えます。
寺内町とは宗教都市のこと
寺内町とは、浄土真宗により建設された仏教寺院・道場を中心に形成された自治集落のことを言います。戦国時代にこの寺内町と呼ばれる宗教自治都市が各地につくられました。
ここ富田林では本願寺一家衆の京都興正寺が富田林の「荒芝地」を購入し、興正寺別院の御堂建立を基に開発がなされたという歴史があります。興正寺を中心に宅地や畠などが計画的に配置され、整然とした町割りの区画は京都の碁盤の目の街並みをお手本にしているのかもしれません。町全体を仏法の及ぶ空間、寺院の境内と見なして信者らが生活をともにする宗教自治都市「じないまち」が誕生しました。
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左:寺内町誕生の中心となった興正寺別院。今も地元の人々に親しまれています。右上、右下:興正寺別院の前の道は「道100選」に選定されています。昔の面影を残した風景。
旧杉山家住宅を見学
寺内町の町家の中で公開されている住宅の一つがこの旧杉山家住宅。1644年の江戸時代に建てられた、寺内町の中でも最古級の町屋建築です。1983年に重要文化財に指定され、その後市が買取り2億円以上もの費用を投じて修繕工事を行ない一般に公開されています。歴史的に価値のある住宅建築は全国でも見学可能なものがたくさんありますが、江戸時代の住宅を、しかも内部まで見学できるものは数少ない印象です。
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ここ旧杉山家住宅はNHK連続テレビ小説「カムカムエブリヴァディ」での撮影にも使用されたとのこと。稔さんのご実家の立派な門構えはここだったのか!とミーハー心が思わず出てしまいました。
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左上:仏間。左下:能舞台を模したともいわれる大床の間。右上:立派なお台所。右下:綺麗に整えられた庭。奥には保存されている蔵が見えます。
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建築当時の図面や、改修工事の際の写真が展示されています。2階には小屋裏の一部が覗ける展示。歴史を積み重ねた木材の色味が渋くてかっこいい。
寺内町には魅力的なお店もたくさん
町をぐるぐる歩いていると、町屋を改装した店舗もたくさんありました。カフェやパン屋さん、お蕎麦屋さんなどの飲食店、雑貨や古本を取り扱うお店のほかに、陶器や家具・照明のお店まで、たくさんの業種のお店が町に点在しています。取り扱っている商品が素敵なのはもちろん、町屋の良さを活かした内装も見どころです。金・土・日のみ営業されているお店も多いので、お目当ての店舗の定休日は訪れる前に要確認です!
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「本と雑貨 緑の小道」さん、店前に柿が1つ50円で販売されていました。手書きの看板が可愛い。店内は古本の他に雑貨やアクセサリーが並べられています。
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「ポクーレコード」さん、店内はコンパクトな作りですがロフトもあり面白い内装です。古着とレコードを販売されています。
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左上:ドライフラワーや生花の販売、フラワーアレンジメント教室をされている「ぷぶれBUPLE」さん。左下:ぷぶれBUPLEさんの店内。右:11月にオープンしたばかりの「ビアホール」さん、この日は車での訪問だったので入店は断念しました。。次こそ!
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左上:イタリアンレストラン「oasi」さん。左下:照明を販売されている「灯家」さん。右:アンティークショップ「TANTRA」さん。 いずれも定休日や営業時間外だったのでリベンジしたい!
富田林のシンボル「PLタワー」
富田林といえば「PL」というワードを思い浮かべる方も多いはず。PLといえば高校野球や花火大会が有名ですが、そのPLのシンボルとも言えるのが「PLタワー」。正式名称は「超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔」といい、PL教団が真の世界平和の実現に向けてすべての宗教が協力し合うことを願い建造されたそうです。
PLタワーは全長180mと太陽の塔や通天閣よりも高く、富田林の街を歩いているとどこからでもその姿が見えます。その存在感たるや!PLだけではなく、富田林市のシンボルマークとも言えそうです。
いざ、PLタワーへ
実は「PLタワー」は誰でも中に入られるとのこと。観光施設ではありませんので、参拝として2階の礼拝堂まで入場可能です。幼少期から見ていたあのPLタワーの内部に入れると知り、早速行ってきました。
間近で見るとなお迫力満点。中間地点と上層部に周辺を展望できるスペースがあります。表面はグネグネとしており、不規則な凹凸。これは一体どのような構造で、どのように作られたのか・・外観だけでは想像もつきません。
ちなみに設計は日建設計、施工は東急建設で1970年に完成したとのこと。内部は撮影禁止ですが曲線を用いたデザインの内装が印象的で、1階ロビーにはアート作品もいくつか展示されていました。PL教の「人生は芸術である」という教えが遺憾無く発揮されたデザイン、一見の価値ありです。
他にも魅力がたくさんな富田林
今日紹介したのは町の中のほんの一部。もう少し駅から離れると古くて味があり、そして面積にもゆとりのある戸建て住宅が多く見られる富田林。アートアンドクラフトでもこれまでに富田林市の戸建て住宅のリノベーションをお手伝いしてきました。富田林を含む南大阪エリアは、魅力的な戸建てストックが豊富な印象です。戸建てリノベーションを検討されている人は、富田林で探してみると理想としていた中古不動産を見つけられるかもしれません。
どうやって物件探しをすればいいかわからないという方は、ぜひ一度アートアンドクラフトにご相談ください!