Osaka Design&Art 2023の開催に合わせて、アートアンドクラフト大阪ショウルームで開催している、刺し子アーティストのJunAleさんによる、「BORO no SASHIKO」の展示。会場の様子をレポートします!
刺し子アーティストのJunAleさん
スポーツウェアの会社を経営する傍ら、フリースタイル刺し子アーティストとして活動する、JunAle(ジュンアレ)さん。柄物などをモチーフにするのではなく、多彩な糸を用いながら真っ直ぐに刺していくスタイルで独自の佇まいを作りだし、国内外で注目を集めています。
出会いは大阪R不動産で紹介した「鶴身印刷所」
アートアンドクラフトとのご縁は、弊社でリノベーションした鶴身印刷所に大阪R不動産を通して入居してくださったところから始まりました。元は印刷工場、もっと前は小学校の講堂だった(?)というこの建物。2018年にリノベーションをさせていただき、彫金、木工といった工房や、建築設計、グラフィックやプロダクトのデザインを行う事務所の方に向けて賃貸をしています。
鶴身印刷所の事例ページはこちら大阪R不動産は面白い人たちとの出会いの場にもなっていて、「いつか一緒に何かやりましょう!」と言っていたことが、今回 Osaka Art & Design に合わせて展示が実現することとなりました!
刺し子の豆知識
さて、「『刺し子』って日本の伝統的な刺繍の技術とはなんとなく聞いたことあるけどどんなもの?」ということで、豆知識を色々教えてもらいました!
下の写真は実際に昔の人が刺繍を施した古い布。比較すると右の布の方が時代は古いそうです。当時、布はとても貴重なもの。破れたり擦り切れたりしたら継ぎながら、着物から敷物、最終的には雑巾まで、ダウンサイクルして大切に使っていました。このような修繕の意味のほかにも、何枚も布を重ねて分厚くしていき、防寒性を高める機能も果たしていたそうです。実際に、日本全国で見られるものの、東北で盛んだったそうです。
その後、徐々に生活が豊かになって布の入手が簡単になっていくにつれ、刺し子は装飾的な意味が強くなったそうです。写真左手の布では継ぎというよりは模様をつける意味が強くなっていっているのがわかります。歴史を聞きながら見ると、面白いですね!
会場の展示の様子
会場の様子です。いつもは打ち合わせテーブルがあるところに展示がされていてちょっといつもと違う雰囲気!刺し子を施したスニーカーとウェアが並んでいます。
スポーツウェアのデザインの仕事をする中で、自分の手を動かすことが少なくなってきた時に、自分の服やスニーカーの修繕を時々していくうちに、刺し子の魅力にはまっていったというJunAleさん。古布を当てて修繕をメインに初めて刺し子をした一足や、蒅の藍染めを施してから刺し子を施した作品、ハイテク素材を使用した作品などさまざまなものが並びます。ひとつひとつ、説明をお聞きしてじっくり見ると奥が深くてとっても面白い!
「実は新品のスニーカーを刺すよりも古いスニーカーを刺す方がここから始めようというきっかけのようなものがあって刺しやすいんです」というお話と、「古いものと新しいものを力技で繋いでいくことでまた違う表現ができる」というお話は、リノベーションに携わる私たちにとっても、とても共感できるものでした。
会場ではJunAleさんの手がけたシャツやTシャツの販売もしています。展示は6月13日(火)まで。10日(土)・11日(日)・13日(火)はJunAleさんも在廊されています。この機会にぜひ覗きにきてください!
JunAleさんの紹介はこちら京町堀周辺では他にも作品展示をたくさんしています。詳細はOsaka Art & Designのサイトより。
OsakaAr&Designのサイトはこちらー==============ー
文:松下文子 Arts &Crafts 取締役副社長