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延べ床60平米。コンパクトでも豊かな戸建て暮らし

大阪から京都方面へ。電車に揺られて30分もしないうちに、山が近くなり畑がちらほらとある風景が目の前に広がっていきます。そんな都心からほど近いのどかな場所に、家族3人で暮らすSさんの住まいはあります。延べ床60平米の戸建てを「購入×リノベーション」されたSさん。郊外の戸建てにしてはコンパクトと思い、聞けば「大きい家は持て余しそうだったから、小さめのサイズ感がちょうど良かった。」とのこと。駅やスーパーまで徒歩圏内と利便性がよく、築50年だがそれゆえに、ほぼ土地価格で鉄骨造という条件に魅力を感じ購入に踏み切られました。住み始めてからもDIYを楽しみ、自分の手で育てる余白を残したリノベーション。あえて選んだコンパクトな暮らしには、Sさんなりの楽しみ方が詰まっています。

階段横には玄関と一体化した書庫スペース。階段下は収納スペースに。無印良品の収納が収まるよう寸法を決めていった

玄関〜収納(階段下)〜キッチンへとつながっている。「回遊性のある間取りにしたかった」とSさん

キッチンの横にはお気に入りの「サンルームダイニング」。コーヒーを飲みながら話をして、家族で過ごす時間を楽しんでいる

「木目の変化も楽しめたら」と新規の壁や柱は素地仕上げとし、あえて塗装しなかった。「こどもに落書きされても味になっているように思う」とSさん

壁を挟んで洗面スペースを配置。天井は既存ジプトンの上から塗装仕上げ

エントランス。玄関扉をあけると、透明ガラスで開放的な印象の造作建具に、黒板塗装仕上げの壁。床は杉材の無垢フローリング

トイレの壁は既存タイルの上からペンキ塗装仕上げ。小ぶりな手洗いボウルは既存再利用

本を見て気に入った丸いフォルムのドアノブ。扉ごとに大小サイズ違いを採用した

二階居室は既存天井を解体し断熱材を施工。勾配天井に仕様を変えることで天井高を確保した。押入れの天袋は襖を取り払いオープンに

安心して住むために、現状と相談しながら、まずは外部を整えることから始めた。戸建てリノベーションを考えるなら、屋根や外壁補修費の心構えも必要

入居者の声

リノベーションは「気に入った物件をどう良くしていくか」を実際の物件を見ながら考えることができ、私たちには合っていました。アートアンドクラフトで相談していくうちに、自分たちの住みたい空間がどういうものなのか明確になっていきました。工事を進めるなかで思わぬトラブルがあっても丁寧に説明・対処してもらえたことが安心できました。スタッフの方たちと一緒に家づくりを楽しむことができたと感じています。いまの家は、いい意味で「直しかけ」という気持ちがあり、DIYにも積極的になりました。新築だったら、住みながらさらに手を加えようと思わなかったかもしれません。知識を得ながらあちこちDIYで手を加えて、より良くなっていくのは楽しいです。また、以前よりインテリアを既製品の枠内で考えなくなり、自分たちの生活に合うものがなにか、柔軟に考えれるようになったと思います。

OUTLINE

物件名:S邸
所在地:大阪府
構 造:S造2階建て
築年月:1968年
竣工月:2018年1月
施工面積:延床60.63㎡

写真:増田好郎

 

担当者より

住まいの中の意思を持った空間。この空間たちをどう繋ぎあるいはどう区切るのか、がプランニングの面白いところ。既存の建物の良いところを残しつつ、さてどうするか?
S邸で注目していただきたいのは「玄関と一体化した書庫」。設計打合せでSさんが何気無く仰った「街に開かれてるような」「縁側のような」この言葉たちに空間イメージは膨れあがり、そして図書館のような、小さなリビングのような空間が出来上がりました。お子さんの成長と共に使い方の変化もありそうですが、この空間が良いエッセンスになるのでは?!と思っております。(一森)

STAFF

設計・監理:一森典子
コーディネーター:廣川未来

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