WORKS

この雰囲気のままで

住まい手は30代夫婦とこどもふたりのアウトドアが好きな4人家族。大阪市内でもトレンドを発信する街のど真ん中。路地を折れると静かに現れる古家。古家付き土地として売りに出ていたものの、その佇まいを見て「欲しい!!」と衝動に駆られたのだとか。丁寧に住み継がれてきたこの家には、和室天井の竹桟、書院作りの棚、今では手に入らないガラスの入った木製建具たち、そんな残したい ものたちであふれていました。しかし、築年数が経った建物には風情もあるが、それゆえにリスクがあるのも実情。古い木造と真剣勝負で向き合い、どこまでのリノベーションを施すか(納得できるか)について話しあいを重ねました。古家の趣きに遊びごころが加わった街中暮らしの事例です。

玄関建具は職人の手で高さを継足し再利用。

玄関を入ってすぐの土間を家族で使う作業場に。

食卓も兼ねる大きなステンレスのキッチン。杉の足場板が無骨な印象。

リビングの一角。ブリックタイルの壁の前に暖炉。

当初からのリクエストでもあった楽しい水回り。置き型のバスタブ。

壁の色や輸入クロスで遊び心ある子どもの間。

建物が密集する街中ゆえトップライトで明るさを確保。梁は天井解体で出てきたもの。

外にもシャワー。汚れて帰ってきたお子さんを洗ったり、夏場の水浴びも。

入居者の声

ちょうど補強の検討をしていたときに、東北の地震がありました。古い家をどこまで補強したら安心して暮らせるのか、できるだけ現状を活かしたかったし費用とのかねあいもあってかなり悩みました。アートアンドクラフトさんと出した結論は、「どれだけ補強しても、壊れるときは壊れる。阪神大震災でびくともしなかった土地と建物だから過剰な補強よりも、やりたいことを大事にしよう」です。正直いうと、全体費用がわかってきた時期だったので、一体どれだけお金かかるの??という不安もありましたが、今振りかえっても、建物を活かすことを大事にしたいい決断だったと思います。

OUTLINE

物件名 /N

所在地 /大阪市

構 造 /木造2階建

築年月 /築年不詳

竣工月 /201111

施工面積/延床100

担当者より

築年不詳の建物と出逢った時、その建物や土地の過ごしてきた時間(歴史)に抱きすくめられそうな瞬間があります。そして、その同じ瞬間に、これからそのバトンを受取り走り出そうとする住まい手の方々が瞳をキラキラさせて私の目の前に立っている。 「大きな流れを止めないで、たった一つだけの輝きを放つ」そんなことを思いながら設計をさせて頂きました。(一森)

STAFF

設計・監理:一森典子

コーディネーター:中川富紀子

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