WORKS

白は白でも

白ほど奥深く悩ましい色はナシ。「見せかけの白は嫌」という設計者を悩ませる難題をもってスタートしたこちらの計画。 聞けば、手触りと見た目にギャップがあるような仕上材がとにかく苦手とのこと。出来あがったのは白は白でも、躯体、鉄、ステンレス、塗装、漆喰、タイル、陶器、数々のマテリアルが絶妙なバランスで主張するやさしくも剛直な家。築39年約60㎡の中古マンションを購入し、約960万円でリノベーション。

玄関をあけると光が走る。華奢な鉄の扉がこの家のニュアンスを表しています。

単機能の水栓、モザイクタイル、潔い洗面台を廊下に。

寝室の床は、モルタルをあえて木ゴテで押さえザラリと仕上げたところに白く塗装。

どこに何を置くかすべて計算ずくのステンレスキッチンはコンパクトで無駄がない。

展開図やスケッチを入念に確認し、見た目の比率にとことんこだわられたそう。

水屋と呼びたくなる食器棚と一体に造作された壁面収納。床はナラ材オイル仕上げ。

左官職人とムラを調整した珪藻土の壁。貼ってあるのは愛猫を写した日常の一枚。

60平米の中にしっかりと2人分のワークスペースを確保。窓の向こうは寝室。

猫の脱走防止策。既存の障子に金網を貼り、白塗装して再利用。

入居者の声

家具や普段使うもの次第で空気を変えられるような、シンプルなハコがいいと思っていました。シンプルだけど長く使うことで傷や汚れができ、それが味わいになる家がいいなと。家づくりが始まって、既存の素材を使えることはリノベーションの一番の利点だと改めて感じました。窓枠や床など長年使い込まれてきたものは塗り換えられてもその場によく馴染みます。お陰で想像していた以上に私たちが描いていた「しっくりくる感じ」に近づけたと思います。オムさん(大村さん)、福永さん楽しいひとときをありがとうございました。

OUTLINE

物件名 /K

所在地 /大阪市

構 造 /SRC

築年月 /1974

竣工月 /20129

施工面積/60.77

担当者より

デザインはもちろん、テクスチャにおいてもバランスを重視されるお二人。設計打合せは終止穏やかに時が経ち、癒されつつも図面やイメージを見て頂く際の緊張感は楽しくもあり、プレッシャーでもありました。白と一口に言っても色味や素材の組み合わせによっては、キリッと無機質でフラットな白さになったり、やんわり包み込まれるような白さになったりと様々。こちらはそのどちらもが心地よいバランスで組合わさり、お二人の人柄も相まって訪れるたびに癒されています。(福永)

STAFF

設計・監理:福永裕美

コーディネーター:大村直子

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