あれ?真ん中に木が生えていますね。ここの家族は時間があれば旅にキャンプにレースと、外でばかり過ごしているそう。ならばもう、そういう風に住んじゃいましょうと”外”の要素を取り込んだ家づくりとなりました。カーテンがないのはベランダの向こうが超絶リバービューだから。さらにこの家には部屋が無く、隠れているのはお風呂とトイレだけ。家はもはやヒトに合わせて作るもの。子どもは大きくなったら出ていくからとおおらかに微笑む両親と男の子2人の住まいです。
全景。木は意外に万能。雨の日は物干しとして、冬はXmasツリーにも!
仕事柄もあってキッチンは通常の倍サイズ。ブロック脚がキャンプ場ぽい。
モルタルの天板には白いホーローシンクとレトロな六角形タイルを合わせた。
以前使われていた柱をきれいに解体してもう一度使う。
収納や簡易な間仕切りにはカーテンを。曲線のレールと布で柔らかく目隠し。
フローリング代わりに使ったのは船用のデッキ材。ベランダでも傷みにくい。
トイレの壁の一面は深い緑色に塗装。
唯一の扉。既存の扉を加工して知人作家のガラスをはめ込んだ。
天井には星座の形で電球が並んでいる。言われたら気づく程度の遊び心。
入居者の声
計画中は細部のクオリティなんかが気になることもあったけど、でも、そんなこだわりはあまり重要でなくて住み手の性格やスタイルによって家の色や匂いができていくのだなと。どんなにイメージしても背伸びしても良い意味で住み手の身の丈に収まっちゃう。僕もいろんな良い家カッコいい家を、本やネットで見てきたりしたけどああはならないですもんね。それがリノベーションの面白さかなと今になって思っています。
OUTLINE
物件名 /T邸
所在地 /大阪市淀川区
構造 /SRC造
築年月 /1972年
竣工月 /2012年10月
施工面積 /74㎡
担当者より
伺うたびに植物が増えアウトドア化が加速している気がします。変わった家だと驚かれる方もいるかもしれません。だけど、ご本人たちは至って自然体。繕う様子も一切なく隅まで明るい部屋の中、それぞれ好きな場所をみつけ好きなことをしている感じはとても家族然としているし「いい家だなぁ」と思わずにはいられません。(岡崎)
STAFF
設計・監理:合田昌宏
コーディネーター:岡崎麗
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