大阪市北区中崎町の一角でビルを購入しリノベーション。奥さまが1階でパン屋さんを開業、上階で暮らすご家族の家です。ここに引越す前は趣ある路地奥の長屋に暮されていました。前の家に比べると、選んだこのビルはとても大きなビルだけど細長い間取りが、どこか前の家と似ているのかもしれません。”使えるものはとことん使う”気質が手伝って前からそこに暮らしていたような、なんともいい具合の家になりました。
雨でぬれた傘を干すにも植木鉢の植替えにも大活躍の土間。
2階は図書室。随分昔に買ったヴィンテージのファブリックを襖代わりに。
シンプルなキッチン。新聞に包まれた野菜や天然酵母が入った瓶などが平然と。
緑のモザイクタイルをアクセントに。
自転車2台おいても邪魔にならないそう。
元は外部だった階段を室内階段に。
黒板塗料の壁は実際にメニュー表として活躍している。
中崎町にあるささのはパン。http://sasanohapan.blog49.fc2.com/
建物の状況を見て外壁塗装と防水工事とインフラ関係を優先的に施工。
入居者の声
自分の店を持つのが夢でしたが、家族との時間も大切。職住一致のスタイルを実現できて、いつも子どもの姿を見られるのがいいですね。アートアンドクラフトは友人の薦めで知り、施工例も見学。間仕切りがなく自由な感じで、でもお宅も住むひとの個性がいい感じに出ていて気に入りました。床面積の広い物件を買ったので、丸ごとリノベするのではなく、優先順位をつけ予算内で施工。デザインしすぎない"住まいのような店"は完成しましたが、今回手をつけなかった4.5階部分もいろいろ夢があり、リノベ進行形です。
(リライフプラス3号掲載記事より)
OUTLINE
物件名 /N邸
所在地 /大阪市北区中崎
構 造 /鉄骨造5階建
築年月 /1989年
竣工月 /2009年7月
施工面積/延床約190㎡のうち1階~3階まで約115㎡
担当者より
家であり店になるストックを都心で探すのは実はなかなか難しい。肌の合う街で足かけ3年(思い立ってからだともっと経っているかもしれませんね) あきらめずに根気強 く探されたお客さまに拍手です。魔女の宅急便のオソノさんのような店主のサバサバした雰囲気が好きで伺うと、まさしくパン屋の家「路面で商い、上に暮らしている」ことに懐かしさを感じます。街中でこんな建物の使い方、増やしたいです。(岡崎)
relife+vol.3に掲載されました
STAFF
設計・監理:枇杷健一
コーディネーター:岡崎麗
その他の事例