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守口の長屋〜まるで露天風呂〜

商店街や銭湯などのんびりとした印象の界隈でオーナーは複数の長屋を所有していました。代々譲り受けた大事な貸家だけれど築年が古くなり、賃料を下げてもなかなかいい借り手がみつからない。ある長屋は思い切ってマンションを建て変えてみたりもしたが、初めは良くても数年で空室が目立つようになる。どうしたものかと悩んでいたオーナーはリノベーションという風潮を知り、ここに再生の糸口があるのでは?と相談に来られました。

使い勝手が悪い畳二間続きの和室は雰囲気を保ったまま1室を無垢フローリングへ。

台所は元の位置のまま極めてシンプルなキッチン台を造作。窓の向こうは風呂。

中庭。防犯、プライバシーを考慮し同じ杉で塀を造作。左の小屋が風呂。

中庭からみた風呂。この風呂こそ他の賃貸長屋とは一線を画す勝負ポイント。

マンション暮らしにはない開放的な風呂に、賃貸募集では問合せが多数寄せられた。

外部はそのまま。庭があるということもポテンシャルの1つ。

日当りの良い2階の二間はほぼ現況のまま。

物置状態だったサンルームは丁寧に洗い、塗装で心地よい空間に。

昔のままの土間や木建具に心惹かれるユーザーはとても多い。

before写真。以前の入居者が退居して10年以上放置の状態が続いていた。

入居者の声

物件情報が好きで、大阪R不動産を眺めていた時に飛び込んできたこの家。庭とサンルームに惹かれました。とりあえずのつもりが一度見てしまうと、もう、住みたくなってしまって。夏は虫が出るし冬はこたつから出られないですが、不便は気になりません。実家も以前の住まいも古い家だったし身体が慣れているんでしょうね。季節が良くなったら庭にもっと手を加えるつもりです。

OUTLINE

物件名/守口の長屋

所在地/大阪府守口市

構 造/木造2階建て 延床82.93

築年月/不明

工事費/700万円

*この物件は大阪R不動産で[守口の文人たれ]というタイトルで募集しました。

*リノベーション・オブ・ザ・イヤー 2015部門別最優秀作品賞〈800万円未満部門〉

担当者より

賃貸仲介の場面で日々ユーザーと接しているわたしたちだからこそ「どんな人たちが、どんな物件を探しているか」が明確にわかります。陳腐な素材で厚化粧な改装をすることで、かえって個性を失くしている物件をたくさん見てきました。ボロい(汚い)はNGだけど古い(趣きがある)のはOK!長屋暮らしが好きな人たちの許容ラインは実に複雑です。この物件でわたしたちが提案したことは〈雰囲気を壊さない〉〈清潔感〉〈ここにしかない個性をつくる〉の3点でした。

STAFF

コンサルティング担当:小野達哉
設計監理:一森典子
施工:アートアンドクラフト

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