2019年12月17日 のアーカイブ

沖縄らしさと住まい 〜Gさんのリノベーション事例〜

2019年12月17日 火曜日

64D8932D-64CE-4405-9967-041F2AD55BDE

約1年前、アートアンドクラフト沖縄事務所では、リノベーションに関するあらゆるご相談に応えられるよう、体制を整えました。
私たちが沖縄事務所をオープンした2012年当時、沖縄ではリノベーションという言葉自体がまだまだ浸透しておらず、既存建物を活用して再生するという考えをもつ方が少なかったように思います。が、最近ではご相談をいただく機会も増え、リノベーション文化の成熟を感じています。

※沖縄のリノベーション事情については、こちらの記事もご参考に。
https://www.a-crafts.co.jp/blog/?p=12004

今回は、これから沖縄でリノベーションを検討している方々に向けて、過去にアートアンドクラフトが沖縄で手掛けたリノベーション物件のご紹介や、気になる費用についてなど、具体的な情報をお伝えします。

沖縄事務所でいただく代表的なリノベーションのご相談内容

実際にご相談にこられる方の状況は様々ですが、事務所に寄せられる代表的な相談内容の一部をご紹介します。

「リノベーションってどんなことができるのか聞きたい」

新居を探しているご夫婦やカップルからは、ライトなご相談をいただくことが多いです。
みなさん、「新築物件にはときめかない」「レトロな既存建物に魅力を感じる」「好きなものに囲まれた暮らしがしたい」という気持ちがあるけど、そもそもリノベーションでどんなことができるのかわからないから聞いてみたい、といった感じでしょうか。

アートアンドクラフトでは、リノベーションについてはもちろん、物件探しからローン付けなどの資金計画についてもサポートしています。あらかじめ決まった予算の中で理想の住まいに近づけるためにどんなことができるか、というご相談にお応えすることも可能です。
リノベーションの対象は、マンション、戸建て、ビルなど、建物種別は問いません。
沖縄事務所でご相談いただく割合としては戸建てが6割、マンションが4割ぐらい。戸建ての中では、木造よりも鉄筋コンクリート造のご相談が多いです(本社のある大阪では、マンションと戸建てのご相談割合は逆転します。建物種別でみても木造のご相談と実績が多いのですが、この違いは、沖縄にコンクリート造建物が多いためでしょう)。

本土とは異なる風土やアメリカ文化の影響などから、独特の建築文化が根付く沖縄には、魅力的なコンクリート建物たちが多く眠っていますが、「鉄筋コンクリート造はリノベーションには向いていないのでは?」という声をお聞きすることがあります。
沖縄では1975年ごろをピークに、十分に除塩されないままの海砂が生コン用の資材として使われていたため、「鉄筋コンクリートは大して長持ちしない」という印象をお持ちの方が多いため、そう言った疑問を抱かれる方が多いのでしょう。
しかし、実際はそんなことはありません。適切な手入れを施せば鉄筋コンクリート造の建物も木造と同様に再生可能で、アートアンドクラフトでは本土復帰前の1970年代築のコンクリート建物を、リノベーションにより再生した実績もあります。
もちろん、木造戸建てのリノベーション実績も数多くありますので、鉄筋コンクリート造、木造問わず、お気軽にご相談いただければと思います。

「親族から譲り受けた住まいを、自分が住む家または二世帯住宅としてリノベーションしたい」

沖縄では元来、親や親戚から住まいを譲り受けたというお客様が多いです。ひとつの住まいを代々受け継ぎ、リノベーションしながら長く暮らし続けるというのは、親族同士の繋がりが強い、沖縄らしい暮らし方ですね。
小さな頃から慣れ親しんだ家をリノベーションすることで、親世代の「次の世代にもこの家を活用してほしい」という気持ちと、子世代の「家族との思い出は大切にしながら、いまの暮らしに合った家にしたい」という気持ちを繋げることができます。また、親世代と子世代が二世帯住宅として住むことを想定して、リノベーションしたいというご希望も非常に多いです。

リノベーションの場合は、当然、新築のように家の購入費用がかからないため、その分の費用を工事にあてることができます。工事の進め方次第では、価格を抑えながら、新築と同等の性能面をもつ住まいを作ることができます。
例えば、間取りの見直し、設備配管の取り換え、電気や給排水の補修、構造補強、塩害対策(外壁塗装)などなど。親世代が大切にしてきた住まいに、これからも長く安心して住み続けるための工事も、リノベーションで叶えることができます。

「子供が独立したので住みやすくしたい」

子供が成人して家を出て行くタイミングで、夫婦で住みやすい形にリノベーションしたい、というご相談をいただく機会も多いです。
進学や就職で県外に子供が出て行ったときに、余っている部屋をどう活用するか、というのは、多くの親御さんが考えることですよね?

そんなときには、間取りをふたり暮らし用に変えることで居住空間を広げることも可能です。
また、余った空間を有効活用するために、1階には自分たちが住み、2階は賃貸として貸し出すことを想定したリノベーションを選ぶ方もいらっしゃいます。これで、子供が将来的にUターンで戻ってきた場合に2世帯住宅として使うことも可能になります。
土地への愛着が強い沖縄には、住まいを手放すのではなく、そこに住む家族の変化にあわせて柔軟に対応し、引き継いでいくという考え方が合っているのではないでしょうか。

リノベーションにかかる費用

やはり、みなさん気になるのは「どれぐらいでリノベーション可能なのか?」という費用面。今回は中古マンション×リノベーションの例をご紹介します。
例えば、那覇市内の中古マンションであれば、築30年・60平米前後で購入相場が2,000万〜。ここに工事費と登記費用などの諸費用を足した金額がおおよその総額となります。

予算に合わせて物件と工事費のバランスを考える。

予算に合わせて物件と工事費のバランスを考える。

アートアンドクラフトでは、物件+工事費で2500万~程度の費用を希望される方が多いです。では、具体的に60平米のマンションの場合、工事費によってどんなことができるのか?をご紹介します。

工事費500万円程度

500万円前後の予算であれば、家で一番多く時間を過ごす、エントランスからLDKの内装更新が中心となる場合が多いです。デザイン面では、床材を無垢フローリングへ変えたり、壁のクロスの張替えなどが可能です。
マンションリノベーションの場合、フルオーダーの自由設計型「custom」以外に、セレクト型リノベーションの「TOLA(トラ)」もご用意しています。「TOLA」であれば、間取り変更や設備機器の更新まで含めて、工事費550万円~(税別)で叶えることができるため、そちらも合わせてご検討ください。

工事費1,000万程度

1000万円前後の予算があると、リノベーションできる範囲が一気に広がります。
暮らしにあわせた間取り変更(玄関やLDKを広くする、家族の収納をひとつにまとめる等)や、設備機器の新調(キッチン,浴室,トイレ,洗面)も可能になり、様々なこだわりを実現できるようになります。

ちなみに、戸建てで、バルコニーの防水工事や外壁塗装、サッシ交換など、外構を触る場合は、別途費用を要します。内部だけでなく外構も更新したい方には、それぞれ叶えたい内容と建物の状況を踏まえた優先順位を整理し、工事内容をご提案いたします。

沖縄ならではのリノベーション観とアートアンドクラフトの考え

okimg02

沖縄事務所でお客様と話していて、共通して感じるのは、みなさんが「自分らしい暮らし」「自分らしい住まい」を強く望んでいるということ。
元来、沖縄にはDIY精神が根付いており、自分の手で何かを作り上げたいという考えを持つ方が多いと感じています。自営業を営む人が多い点からも、沖縄ならではの県民性を見出せるかもしれません。
それは、既製品の住まいに自分の暮らしを合わせるのではなく、自分の理想とする暮らしに合う住まいを選び、作り上げるというアートアンドクラフトの考えとも合致します。
そう考えれば、大阪で始まった私たちが今、沖縄でリノベーションによる住まいづくりをしていることも、必然なのかもしれません(ちなみに代表の中谷は大阪と沖縄の二拠点生活を送っています)。

今回、沖縄のリノベーション事例としてご紹介するGさんも、そんな私たちの考えに共感してくださる一人でした。

Gさんのリノベーション事例

沖縄でゲストハウスを営むGさんは、もともと家探しをしていたわけではありませんでしたが、ある日、私たちがリノベーションした、沖縄本島の高台にある築40年超のマンションと出会い、ほどなくして購入されました。
共用部の雰囲気、マンションのレトロなロゴ、エントランスに植えられた椰子の木などを見て、ふと「毎日ここに帰ってきたい」と感じたそうです。海外旅行によく行くこともあり、かねてから「帰ってきたくなる家」「拠点としての家」に住みたいという思いを、そのマンションで叶えられるイメージが湧いたのだとか。

自分らしさを詰め込んだ住まい

No004-696x470

広々としたリビングは風通しもよく、夏でもエアコンがいらないほど通気性に優れています。趣味の楽器、好きなアート作品、お気に入りのソファ…と、自分の好きなモノを詰め込み、自分の居心地の良さを追求した住まいは、まさにGさんが考えていた「帰りたくなる家」そのもの。
中古マンションならではのレトロな趣きを残しつつ、リノベーションで新たに生まれ変わったGさんの住まい。ストック(既存建物)を活かしたリノベーションだからこそ、ロケーションの雰囲気に合わせた設計ができるのも魅力です。

jirei01

沖縄は湿度が高く、カビの心配が常につきまとうため、住まい選びの際に「風通しがいい」というのは大事なポイント。G邸では全体の間取りを考えるうえで風通しを意識した設計になっていることに加え、玄関横に有孔ボードのパーテションで隔てた、扉のないオープンなstorage(大型収納)をつくりました。

jirei02

jirei03

 

アートアンドクラフトでは、今回ご紹介したGさんのように、沖縄で自分らしい暮らしを叶える住まいづくりをお手伝いしています。
ご興味のある方は、事務所までお気軽にご相談ください!

アートアンドクラフト沖縄事務所
〒901-2311
沖縄県中頭郡 北中城村 喜舎場1066
SPICE MOTEL内
電話/098-975-8090
お問い合わせフォームはこちら
営業時間/10:00~18:00
定休日/水曜日・日曜日・祝日