2018年3月17日 のアーカイブ

車離れとクルマ社会

2018年3月17日 土曜日

文= Arts&Crafts 中谷ノボル

6712

IMG_1799

タイのバンコクでTOYOTA車を買うと日本の2倍ほどします。500万円もする車を月給10数万円の人が、大渋滞のなか嬉しそうに乗っています。車離れした日本の若い人はナイわーって思うかもしれませんが、ニッポンも平成の始め頃までは同じような状況だったと思います。車は単なる移動の道具ではなく、その人の勢いをあらわすシンボルでもありました。

IMG_1792

自分もかつてはイキって車2台持ちでしたが、ずいぶん前に手放して乗り物は自転車が中心の生活に。大阪の都心部で徒歩でも通勤できる暮らしでは、マイカーなしの生活に不便は感じません。そして自転車のほうがエコで地球にやさしい、罪悪感もない。そしていざ自転車派になると、危険運転する車が悪魔のように思えてきます。まるで非喫煙者とスモーカーの関係みたいに。

ところがです。仕事で沖縄へ行くようになり状況は一変。戦後のアメリカ統治以降、いまも那覇以外の沖縄は完全にクルマ社会です。自分も最初こそ自転車やバスを使ってみたものの断念。すっかりクルマ社会に染まりました。強風での自転車は辛いし、バスは時間どおりに来ない。今や、すぐそこのコンビニさえ車で行くありさまです。

こちらの高校生は在学中から教習所に通い就職に備えます。働きだすと会社へはマイカー通勤。アパートの家賃には駐車場代まで含まれているのが標準。車がないとデートすることさえできないでしょう。そう、在京メディア発信の情報に接していると、まるで日本全国の若者が車離れしているかのように錯覚しますが、大都市の中心部以外では、いまも普通にクルマ社会なのです。

欧米のコンパクトシティを念頭に「クルマ社会はもうダメ。これからは自転車や徒歩で暮らせる街が進歩的!!」みたいな論説を聞く機会が増えました。でも、それホンマ!? 人力で動く自転車のほうが進歩的だなんて科学技術は捨てたの? 極端じゃない? 公共交通が発達した都市部では自転車や地下鉄、郊外ではクルマが便利。シンプルに、状況に合わせた交通手段を選択すれば良いだけな気がします。

6847

一方で、自動運転で排ガスもゼロ、そんな地球にも人にも優しいEV車が一般的になる未来はすぐそこ。その頃には、また新しいトレンドや意見が生まれているんでしょうか。でも現段階では、当社が沖縄で運営する SPICE MOTEL へ自動車で来てくださいね。モーテルっていうくらいですから、クルマ前提の立地なのです。スタッフ一同、お待ちしておりまーす!